若手指導者育成「甲子園塾」始まる 選手や保護者との向き合い方指導
日本高校野球連盟が2008年度から若手指導者を育成するために実施している「甲子園塾」(塾長=正木陽・日本高野連技術・振興委員会委員長)が29日、大阪市の中沢佐伯記念野球会館で始まった。教員資格を取得して10年未満の監督ら27人が全国から参加。講師には沖縄尚学の比嘉公也監督や高校日本代表監督の小倉全由・技術・振興委員らが招かれた。 高校時代にはエース、指導者としては母校を率いてセンバツ大会優勝を経験している比嘉監督は自身の体験をもとに講演した。当初は「25歳で監督に就き、監督が交代して勝てなくなったと言われたくなくて、選手たちに強制的にハードワークを課す一方通行の指導をしていた」と振り返る。その反省を生かして「選手やコーチに任せるところは任せる。迷わないようにシンプルに、選手にやってほしくないことだけを伝えることを心がけている」と語り、投手の育成論などを説明した。 小倉氏は長い監督歴で培った選手や保護者との向き合い方をアドバイス。「指導者の選手に対する熱さが絶対だ」と強調した上で「選手と一緒に汗をかき、自分の弱いところも見せる。子どもを大事にする姿を見せることが重要だ」などと説いた。 3日間の日程で座学や実技の講義がある。12月13~15日には今年度の第2回も予定されている。【長宗拓弥】