″高校育ち″初の種雄牛候補 栃木・鹿沼南「鹿南百照」
栃木県鹿沼市の鹿沼南高校で生まれた黒毛和種の雄子牛が、家畜改良事業団が行う「肉用牛産肉能力平準化促進事業」の候補種雄牛に選ばれた。事業が1981年に始まって以来、高校からの選抜は初めて。19日に同校で候補牛の引き渡しが行われた。 候補種雄牛は、年間約30頭選ばれる。その後、約4年の現場後代検定を経て、全国に精液が販売される種雄牛が選ばれる。種雄牛となるのは年に数頭だ。 候補牛「鹿南百照(かなんももてる)」(母の父=美津照重)は、同校が保有する母牛「てるかね」と事業団の種雄牛との計画交配で2021年8月25日に誕生。同年11月に実施したゲノミック評価6項目のうち5項目で、事業団の選抜基準を大きく超える数値を示した。 同校は候補牛入りの報告を昨年末に受け、育成に一層力を入れてきた。食料生産科3年生の伊藤美空さんは「牛舎の清掃や飼養管理に気を配り、ストレスを与えないように心がけた」と話す。 事業団前橋種雄牛センターの安森隆則場長は「ゲノミック評価を受ける高校が増え、改良を進めたいとの意識が高まっている」と若い力に期待する。
日本農業新聞