女性広報が明かしたSNS戦略で大炎上、斎藤元彦知事「法に抵触することはしていない」兵庫県知事選 有権者に「種まき、育成、収穫」
兵庫県の斎藤元彦知事が再選した知事選をめぐり、新たな騒動が起きている。斎藤氏を支援した同県内のPR会社の経営者が、選挙中の「広報全般を任された」として、選挙戦略の詳細を明らかにした記事をインターネット上に公開したところ、「有権者の心情をもてあそぶ」「有償で請け負っていれば公職選挙法に抵触するのではないか」といった批判や疑念が殺到した。 【画像】PR会社経営者が投稿した記事の一部 ◇ 兵庫県内のPR会社女性経営者がSNS戦略詳細を明かす PR会社の女性経営者は20日付で投稿プラットフォーム「note(ノート)」に《兵庫県知事選挙における戦略的広報》と題した記事を投稿した。 記事によると、斎藤氏の選挙用プロフィル写真の撮影やキャッチコピー変更の提案、公約スライドの作成のほか、SNSの公式応援アカウントの開設や運用も手がけ、ハッシュタグ(検索目印)を「さいとう元知事がんばれ」で統一した。 10月1日から13日を「種まき」、14日から告示日の31日までを「育成」、11月1日から投開票日の17日を「収穫」と位置付け、SNSで支援を呼びかける「ターゲット(有権者)」と投稿するコンテンツを設定したという。 「本人現れた」削除 一方、「(斎藤さんが)オフィスに現れた」「元々斎藤さんとは面識がありました」との記述は記事から削除された。 公選法では、選挙人(有権者)や選挙運動者に対する金銭、物品など利益や公私の職務の供与などは買収や利益誘導として禁止されている。 総務省のガイドラインでは、選挙運動用ウェブサイトや選挙運動用電子メールの企画立案を行う業者への報酬の支払いについて《一般論としては、業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行っており、当該業者は選挙運動の主体であると解されることから、当該業者への報酬の支払は買収となるおそれが高いものと考えられる》としている。 斎藤氏は22日、報道陣の取材に「法に抵触することはしていない」と述べた。斎藤氏の代理人弁護士も陣営が対価を支払ったことは認めたが、「依頼したのはポスター制作など法で認められたもの」と主張した。 夕刊フジがPR会社側に電話で問い合わせると、「各社から問い合わせが殺到しており、取材等を一律でお断りしている」とし、弁護士らと対応を考えているとした。メールでの問い合わせにも、23日朝時点で回答はなかった。