Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

新型コロナワクチンに3つの「泣きどころ」 大阪で人への試験始まる 開発の最前線

配信

47NEWS

 欧米の同様に先行する研究グループも第1段階の試験により安全性を認めたことを報告し始めた。欧州では前述の英国オックスフォード大学のグループが1000人規模の人々にワクチン候補を接種して安全性を確認、1万人規模を対象にした次の段階に進むことを5月に発表している。米国モデルナ社のグループも第1段階の試験で155人を対象に検証して安全性を確認。第2段階として600人を対象にさらに安全性や効果の検証していく。  これらワクチンが世に出ると、新型コロナ感染症の流行に終止符が打てるのか。中国のグループによる試験の報告に対して、カナダの専門家のグループは5月に『Lancet』で第三者の立場からコメントを寄せ、「抗体の上昇が認められているが継続的に抗体の上昇は続くのか」「ウイルスから身を守る効果があるのか」とこれからの懸念点を挙げた。この中でいくつかの指摘をしているが、ワクチン自体の安全性は大前提として保証する必要があるとして、複数の研究に目を通していくと、このほかにもワクチンには「3つの泣きどころ」とも言える、注意すべきポイントがあるのではないかと考えられる。

 ▽「理想的ワクチン」へはまだ遠い  一つは、ワクチンにより引き出される「免疫反応のターゲットの問題」だ。現在、世界で進められているワクチンによってできる免疫反応は、「いが栗」のような球形をした新型コロナウイルスの「トゲ」を狙ったものが多くなっている。このトゲは「スパイク(とげ)タンパク質(Sタンパク質)」というウイルスのいわば部品になる。多くのワクチンはこのトゲを狙った免疫反応を引き出すように作られている。  一方で、新型ウイルスの持つ部品はほかにも「Nタンパク質」「Mタンパク質」などさまざまな種類がある。免疫反応は必ずしもSタンパク質に対して作用しなければいけないとは限らないわけだ。試すべきターゲットはほかにもあることからすると、Sタンパク質への免疫反応がうまくいかない場合に次に当たるべき「プランB」の検証が十分ではないと考えられる。  もう一つ、盲点ともいえるのは「運び屋の問題」だ。ワクチンは免疫反応を引き出すために病原体の一部を接種して免疫反応を作る薬剤だ。その病原体の一部を体内へと送り込む運び屋には複数の選択肢がある。

【関連記事】

最終更新:
47NEWS