『TikTok上半期トレンド大賞2023』発表 「暗殺者のパスタ」「赤字ビストロ」「ライスペーパー」などグルメ部門が席巻
6月29日、TikTokの2023年上半期に流行したトレンドを決定する『TikTok上半期トレンド大賞2023』の授賞式が行われた。今回は、上半期TikTokで多くの投稿に使用されたハッシュタグがノミネートされる「チャレンジ部門」をはじめ、TikTokがきっかけで流行し、多くのユーザーに使用された楽曲に贈られる「ミュージック部門」、多くのユーザーに支持されたレシピや飲食店に贈られる「グルメ部門」、多くのユーザーが投稿したり、視聴されたアイテム「ヒットアイテム部門」、多くのユーザーが投稿したり、視聴された話題のモノ・コト・事象に贈られる「話題部門」の5部門が用意された。 【写真】受賞したライスペーパーレシピで話題の女子大生 MCを務めるのは、元アナウンサーにして現在はTikTokで活躍中の森香澄と、同じくTikTokで話題となったナレーター・クリエイターのイケボパパだ。 はじめに発表されたのは「ミュージック部門」。国内外の多くのユーザーがダンス動画を投稿し話題となった楽曲「Baby you」を歌唱する有華が受賞した。受賞スピーチで有華は、「まさか日本を飛び越えて(海外で)こんなに聴いてもらえるなんて」と喜びをあらわにした。MCの森が「Baby you」を自身のTikTokで踊ったことがあると明かし、盛り上がる一幕も。さらに、会場では有華が「Baby you」の生歌を披露。一気に会場のボルテージを上げた。 続いて発表されたのは「チャレンジ部門」。ここでは「うちゅくしい」というワードの火付け役となったSHIGEが受賞した。SHIGEは動画でもアイコンになっているピンマイクを持って登場し、「『うちゅくしい』を使ってくれた多くのユーザー様が楽しんでくれたおかげだと思っていますので、皆様に心から感謝しております」と語る。さらに「このトロフィーがうちゅくしい」と、さっそく受賞のきっかけになった「うちゅくしい」を使って喜びを表した。 続いて「グルメ部門」の発表に移る。「グルメ部門レシピ賞」を獲得したのは、「暗殺者のパスタ」を投稿したケンティー。緊張した面持ちで登壇し「やりたいことと生活していけることが両方一緒に出来そうになったので、こっち(料理動画)に全力を振って頑張っていこうと思いました」と、TikTokのバズによって自身に起こった生活の変化について話してくれた。 さらに「グルメ部門店舗賞」はPLUCK AND PLANTのKJが獲得。池尻大橋にあるPLUCK AND PLANTは、大赤字だったところからTikTokの力で勢いをつけたビストロだ。受賞の喜びについて「TikTokをはじめていなければ僕は今ここに立っていないですし、お店も閉店していたと思います。ぜひ池尻大橋にあるPLUCK AND PLANTに来てほしいなと思います」と語った。 「ヒットアイテム部門」ではライスペーパーレシピで話題のみかが受賞。なぜライスペーパーを使おうと思ったかを問われ「友達がめちゃくちゃ美味しそうに生春巻きを食べていた」というエピソードを披露。どうやら些細な日常の様子が、バズ動画のネタになったようだ。水をこぼしながら調理する動画での様子をイケボパパから突っ込まれると「思いがこぼれちゃいました」と冗談も飛び出した。 続く「話題部門」ではTVアニメ『ブルーロック』が受賞し、プロデューサーの有澤亮哉が登壇。有澤は『ブルーロック』での超人的な技について「滅多にできないですけれど、一応ちゃんとできる技しかでてきていない」と制作の裏側を語る。さらにアニメ制作のこだわりについては「スタッフと一緒に絶対に1番を取るぞという気持ちで作り続けてきた」と語った。 全ての部門の発表が終わり、大賞の前には2023年上半期の特別賞も発表される。この賞は、TikTokで大きなムーブメントになった「もの・こと」に贈られるもので、TikTokトレンド大賞にて初の試みだという。その特別賞を受賞したのは、俳優の賀来賢人である。自身が始めたTikTokが話題となり、「#賀来賢人」だけで10億回再生という脅威の再生回数を誇った。賀来はTikTok制作の裏側について「完全に思いつきですね。もともとはNetflixの『忍びの家』という自分が出演してプロデュースもしている作品のプロモーションの一環で始めました。でも結果として一切プロモーションをせず競歩してるだけのTikTokになっているんです」と会場の笑いを誘った。また、撮影地について「基本は仕事の帰りに、いい公園がある、競歩しやすい公園がある、というのを基準に選んでいます」と話し、ついつい芝の具合を見てしまうとジョークも飛ばした。今後の展望について「まずはビリー・アイリッシュと」などと壮大なコラボの目標も明かす。賀来のトークの面白さに、会場も大きく盛り上がった。 さらに、スペシャルゲストとしてTikTokのアンバサダーを務める山口一郎(サカナクション)が登場。新CMのお披露目と共に、CM撮影の裏話についても話してくれた。新CMの撮影場所はなんと、山口の自宅だったとのこと。さらに普段のTikTokの使い方について「僕はアウトドアが好きなので、釣りやアウトドアについて検索して調べています」と話し、「北海道の支笏湖とか、すごくいいところでした」と実際にTikTokでの情報が役立っていることも明かした。また下半期の活動については「同じTikTokクリエイターの指男くんがサカナクションのTikTokアドバイザーに就任してくれたんです。なので今後、指男くんとたくさんTikTokを制作することになりそうです」と思わぬコラボの話を聞かせてくれた。さらに、指男との交流について「あいつめちゃくちゃシャイだから」と笑顔を交えて話した。 いよいよ、アンバサダーの山口をプレゼンターに迎え、大賞の発表が行われる。 大賞を受賞したのは、2020年に発表され3年後にTikTokでバズり始めた楽曲「オトナブルー」で話題の新しい学校のリーダーズだ。一般ユーザーだけでなく、数々の著名人も参加し、多くの人が踊ったこの動画について、メンバーのSUZUKAは「広瀬香美さんはすごく手が激しく動いていましたね。実際に会ってレクチャーしたいなと思うんです。やり方を伝えたら、みなさん首だけクイっと動かして上手にできるので」と何気に難しい「オトナブルー」の振り付けについて言及。昨年の大賞である広瀬とのコラボにも期待が高まる。 この後、新しい学校のリーダーズが実際に「オトナブルー」を披露。生歌唱と勢いのあるダンスで『TikTok上半期トレンド大賞2023』を締め括った。
Nana Numoto