日本空港ビル、最終赤字264億円 4-12月期
羽田空港のターミナルを運営する日本空港ビルデング(9706)は2月3日、2020年4-12月期(21年3月期第3四半期)連結決算が、純損益264億7800万円の赤字(前年同期は81億6200万円の黒字)だったと発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で国際線・国内線ともに旅客数が大幅に減少し、施設利用料や店舗売上高が大きく減ったことが響いた。2021年3月期通期の業績見通しは据え置きで、350億円の最終赤字を見込む。 【4月の緊急事態宣言直後の羽田空撮】 4-12月期の売上高は397億2000万円(前年同期比80.5%減)、営業損益は440億2500万円の赤字(157億6400万円の黒字)、経常損益は413億7700万円の赤字(149億700万円の黒字)。旅客数の大幅な減少で施設利用料や商品・飲食売上高が落ち込んだほか、昨年3月に供用を開始した国際線関連施設の減価償却費がかさんだことも損失計上の要因となった。 セグメント別の業績のうち、施設管理運営業は営業収益が281億4400万円(58.9%減)、営業損益が274億800万円の赤字(102億2200万円の黒字)。旅客数の落ち込みで施設利用料が82.5%減少したほか、一部テナントへの家賃減免措置により家賃収入も8.9%減少した。駐車料、ラウンジ収入といったその他の収入も51.5%減少した。損益の面では2020年3月期に供用開始した第2ターミナル国際線施設と第3ターミナル拡張部の減価償却費が増加したことも影響した。 2021年3月期通期の業績予想は据え置きで、純損益が350億円の赤字を見込む。売上高は2020年3月期比75.6%減の610億円、営業損益は580億円の赤字、経常損益は555億円の赤字となる見通し。 また、7月に新しいビジネスジェット専用搭乗施設「東京国際空港 国際線 ビジネスジェット専用ゲート」の供用開始を予定している。
Tadayuki YOSHIKAWA