【競馬】「競馬予想AI」はどれくらい当たるのか? 過去には968倍、2644万円の払い戻し実績も!
今年の大会は参加者が65人前後と大幅に増え、第1ステージ(10月5日~27日)、第2ステージ(11月2日~24日)、最終ステージ(11月30日~12月22日)のスケジュールでアツいAIの戦いが繰り広げられる。 さらに昨年を踏まえ、的中率を重視するために「安定指数」という項目を加えるなど、ルールも微調整。週ごとの成績をランキングで出し、下位2名を毎週落としていくシステムだ。厳しいことにトリガミ(払い戻し金額が投資金額より少ないこと)は的中とは見なさない。馬券の買い方も大切な要素になる。 優勝賞金100万円のビッグな大会だが「皆さん、賞金よりも名誉を重んじているようです」と村井氏。お金は馬券で稼げばいい。それよりも自身が開発したAIの実力が問われる、プライドを懸けた戦いなのだ。 ■AI開発者の個性とは? さて気になるのはAIの予想方法である。各馬の実績、コースや距離適性、騎手、展開、血統、調教タイム......、競馬には数え切れないほどの予想ファクターが存在する。 これらの上質なデータを数多く読み込ませ、AIが総合的に判断する。各ファクターには関連性があり、例えば「データAとデータBが合致すると1着になる確率が高い」というように、AIは判断する。 「こんなクラスターをたくさん見つけて、それをベースに予測する形が多いようです」と村井氏。 AIがよく用いる手法に予測勝率、3着率の算出がある。出走全馬の勝率と複勝率をはっきり数字で表すのだ。人気どおりの予想になることもあるが、実際のオッズと比較することで妙味が生まれる。 人間と違ってAIには思い入れも、焦りやプレッシャーもない。"勝負手"という概念もなく、冷静に数字をはじき出す。ただし入力するデータが多ければいいというわけではないらしい。 「本来、AIに多くのデータを入れれば入れるほど予想の精度は上がるはずなのですが、現状、あまりたくさん読み込ませてしまうと逆に予想の柱がぼやけてしまい、成績が落ちるようです」 どの情報を重視させるかにAI開発者ごとの個性が出る。腕の見せどころというわけだ。 ほかにも厩舎(きゅうしゃ)コメントやパドック、返し馬を予想ファクターに加えようと努力している開発者も増えているそうだ。村井氏によると「パドック映像を解析して馬体はもちろん、歩幅や歩く速さを以前と比較判断しようと試みる方もいる」という。 さらに降雨による馬場の急変、トラックバイアスの変化など、レース直前の予想ファクターは多い。AI競馬予想マスターズのルール上では発走3分前が締め切りだが、普段は締め切り1分前のオッズを取得し、残り30秒でベットするシステムを組んでいる開発者が多いようだ。 なお、今大会ではAIがほかのAIにのっかるという不正を防ぐため、参加AIの買い目は締め切り後の発走時刻に公開される。 ■AI予想の説得力