【競馬】「競馬予想AI」はどれくらい当たるのか? 過去には968倍、2644万円の払い戻し実績も!
見事優勝を飾ったのは「AIゆま」。知る人ぞ知る伝説の競馬予想AIだ。あまりの的中率の高さに信者が急増。影響力が強すぎてオッズが変動し、"ゆま"自身が勝ちにくくなったため2022年にファンに惜しまれながらも予想の公開をやめた。 昨年の大会に誘われた際も本当はこっそり参加して楽しもうと思った"ゆま"だったが"レジェンド"と紹介されたことで後には引けず本気で勝つことに決めたそうだ。 「決められたルールの中で優勝するためにはどんな戦い方をすればいいのか。"ゆま"さんはこれに関してもAIに算出させたと聞いています」と村井氏は語る。その答えが「一発大物狙いの3連単」というわけだ。 AIゆまは馬券的中率こそ11.00%に終わったものの回収額、回収率では圧巻の数字を残した。いかに戦い方が優れていたかがわかる。 ■今年は参加者が倍増 そもそもAI競馬予想マスターズはどのような経緯で始まったのか。 「netkeibaでは以前から一般ユーザー向けに『俺プロ』という予想大会を行なっています。このAI版をやったらどうかというのがきっかけですね。多くの方に参加していただき、囲碁界のようなすごいAIを発掘したいという思いもあります」 囲碁界では16年から17年にかけて韓国、中国の世界最強クラスの棋士がAIに完敗。今では一定のハンディをもらっても勝てないといわれている。AI同士が限りなく対局をして学習を積み重ね、進化を続けるのだから人間はたまったもんじゃない。 囲碁は一対一。「盤上がすべて」のある意味、純粋な勝負だ。だが競馬は不確定要素が多すぎる。雨、馬体重の変動、レースも予測どおりにはいかない。馬が直線で詰まるというアクシデントもある。 「馬券では何百万人という方が参加してオッズも大きく動く。また人間以外にAIもたくさんある中で、収支を上げていかなければいけない。そこが興味深いですね」 ではいったいどんな人たちが競馬AIの開発に取り組んでいるのだろうか。昨年の大会では約200人の応募の中から厳選、33人がエントリーされたという。 「AIが好きな個人エンジニアの方がほとんどですね。馬券で儲けたい方が多いので、『人間が予想しても買いづらいよね』という馬券を見つけて勝負する方が多い。中には競馬は詳しくないけど、エンジニアとしての技術だけでやっている方もいます」