【バレー】梅川大介監督(駿台学園高)が描く春高までのプラン 連覇したインターハイと「怒りながら若手育成をした」夏
――選手たちは全国三冠を目標に掲げていますが、一つ目のタイトルを獲って、その到達度はいかがでしょうか? インターハイで自分たちの力がほんとうにあるのかを試してみて、今年はそれなりに勝負ができる年ではあるのかなと思っています。春高に向けて、ここから大きいチームがより力をつけてくるので、そこに負けないようにしっかりやらないといけません。 ――5月には高校生で唯一、第72回全日本黒鷲旗男女選抜大会に出場しました。チームとしても一つのきっかけになったのでしょうか? 今年の選手たちはもともと、大きな大会でスターティングメンバーとして出たキャリアはあまりありませんでした。負けてはいけない大会とか、ああいった高いレベルをインターハイ前に経験できたことはプラスでした。そのおかげもあって、インターハイでもそこまで緊張しないで入れたのかなと思います。 (2-3で敗れたV2の北海道イエロースターズ戦で)最後、櫻井(信人)がマッチポイントでスパイクをラインアウトにしましたが、あれを入れるようにしなきゃダメ、とか。 ほかには植草(光稀)が、マッチポイントで上がってきたトスをブロックされましたが、彼はエースではないのでつなぎやミスをしてはいけない役割です。去年の亀岡(聖成/現・筑波大1年)だったらリバウンドを取って逆サイドの川野(琢磨)で終わりでしょ、というシチュエーションで、まだキャリアがないから打ってしまった。でもそういう経験があったからこそ成長して、ここは打つべきではないという判断ができるようになってきたと思います。 ――インターハイでも焦らなかったですね 言い方は少し変かもしれませんが、「うまくいかねぇな」というぐらいで、大人のような感じでした。うまくリズムに乗るような点数がポンと入ったら、一気に追いついたり追い越したりすることができたので。 そういう意味では直前の大学生とのゲームでだいぶ自信がついたのかなと思います。大学生にもほとんど負けていなかったので、何とかなるという。(インターハイでは)一通り相手の様子を見て、そこからどう捕まえていこうかな、という感じだったのかなと。こっちが捕まえにいったときにしっかり捕まえていたので、そういった自信はあったのかなと思います。 こっちはいちばん完成度が高くて、相手は(大会などがなく)そうではない状態で。嫌だったと思います(笑) ――10月には国スポがありますが、今後チームをどう伸ばしていきたいでしょうか? 国スポで彼らがどういった経験を積んできてくれるか。(居残り組は)自分たちでうまく考えながら、1年生がどれだけ融合できるか。そうすればオプションが増えるので、戦い方に幅が出るのかなと思います。 ――ライトからの攻撃も一つポイントになりそうですね もちろん植草も頑張っていますが、彼がいなくても安定する守備力を両レフト(川野と櫻井)がつけて。そこに1年生の畠(昊太郎)が入るのか、川野をオポジットに追いやってでもレフトに落合(康陽)が入ってくるのか、とか。またミドルブロッカーの高澤(大馳)のところを狙われるのであれば、そこに小布施(琢磨)が入ってもきっちりとこなせるというところまでもっていければ、穴がなくなってくると思うので。 今、1年生は四苦八苦しながらやっています。2年生が(メンバーに)少ないので、1年生には「2年生の仕事をしてもらわないと困る」と伝えています。1年生は大変ですが、そこがうまくいけば冬はまた勝負できるのかなと思います。 取材/田中風太(月刊バレーボール編集部) 写真/山岡邦彦(NBP)、月刊バレーボール編集部
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