「カフェイン中毒死」はなぜ起きる?エナジードリンクは悪者か
貧困とも関連する「カフェイン依存症」
では、なぜカフェインによる死亡が起きたのか。津田医師は、カフェイン依存症によるカフェイン錠剤(1錠100ミリグラム)の過剰服用が起きていたのではないかと推測する。「カフェインには、タバコやアルコールと同じような依存性がある。死亡した男性はカフェイン依存になった結果、慢性カフェイン中毒となり、カフェイン錠剤を大量に摂取するなどして致死量を上回る量を摂取したのではないか」 カフェイン依存は、アルコール依存やタバコ依存と共に起きることが多いことが知られており、依存は、貧困と関連があるという研究もある。津田医師は、男性の労働環境や経済状況が、カフェイン依存症を招き、死に至った可能性を指摘する。「体調不良や嘔吐を繰り返した時点で、適切に医療機関を受診していたら、亡くなることはなかったのではないか。それができなかった環境に問題がある」として、カフェインの危険性の指摘に終始するのではなく、若者の貧困や労働環境という問題まで考える必要性を指摘した。 (中野宏一/THE EAST TIMES)