ナダル 地元スペインで勲章を受賞「本当に感謝。この状態が1日も早く終わることを祈っている」<男子テニス>
ATP
男子プロテニス協会のATPは3日、世界ランク2位のR・ナダル(スペイン)がマドリッド市の最高の栄誉であるドス・デ・マヨ勲章のグラン・クルス賞を受賞したと掲載した。 【ナダルが歴代最長の記録に】 マドリッド市で開催されたイベントでナダルは、社会活動の中で模範的な行動が際立っていた人々や機関を表彰する同賞を授与された。 ナダルは今季、9月から10月にかけて行われた全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)で四大大会20度目の制覇を達成。しかし、スペインでは新型コロナウイルス感染拡大の影響で現時点で約4万5,000人の死者を出すなど現在でも大きな被害が出ている。 授賞式でナダルは「まず第一に、僕らが経験しているこの恐ろしいパンデミックの犠牲者とその家族全員を思い出したいと思う。それは僕ら全員に何らかの形で影響を与えると思うが、何よりも愛する人を失った人たちに影響を大きく与えると思う」 「特に第1波で大きな被害を受けたマドリッドを中心とした医療従事者の方々に感謝したい。そして、軍と国家安全保障組織にも感謝します。僕は、スペインはこれまでもそうであったように、困難な状況を乗り越えることができると確信している。今回も例外ではないだろう」 ナダルは新型コロナウイルスの影響によりツアーが中断している最中、NBAに所属するバスケットボール選手のパウ・ガソル(スペイン)とともに1,100万ユーロ(約13億2,000万円)をスペイン人のスポーツ選手から集めて困窮する一般市民に寄付するプロジェクトを始動。実際には多くの選手から支援金が募られ1,400万ユーロ(約17億6,700万円)以上の寄付をすることができた。 この活動についてナダルは「このような評価をいただけたこと。本当にありがとう。このような栄誉をマドリッドの市民の皆さんと分かち合い、感謝したい。僕はプライベートでも仕事上でも、忘れられない瞬間を過ごしてきた。僕らはみんな、このコミュニティによって支えられている」とコメント。 最後には「僕らが今経験していることが、すぐに思い出となって楽しむことができるようになることを願っている。願わくば、この状態が1日も早く終わることを祈っている。今日はみなさんのおかげで忘れられない日となった。ありがとう」と語った。 また、マドリッド州の首相を務めるイザベル・ディアス・アジュソ氏は「私たちは、あなたのスポーツ界での偉業と同時に、人としての並外れた美徳を称えて、この最高の栄誉を与えます。あなたはスペイン史上最高のスポーツマンであると同時に、決断力、忍耐力、規律、犠牲、相手への敬意、そして謙虚さといった偉大な価値観を持った人でもあります。あなたは人間性を失ったことはない。何百万人ものスペイン人がスペイン国旗の下であなたと一緒に祝い、涙を流してきました。改めて、ありがとうラファ」とナダルを称えた。