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故ルイス下院議員葬儀でオバマ前大統領がトランプ政権を痛烈批判「憎しみと分断ではなく、愛を」

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Rolling Stone Japan

公民権運動の象徴であった、故ジョン・ルイス下院議員の葬儀でバラク・オバマ前大統領が弔辞を読み上げた。オバマ氏は、トランプ政権による人種差別抗議デモ参加者への弾圧と投票封じ込めを痛烈批判。「ジョージ・ウォーレスはもうこの世にいない。それなのに、連邦政府が送り込んだ警官隊が催涙ガスや警棒で平和的なデモ参加者を攻撃するといった光景が我々の目の前で繰り広げられている」。 フロイドさん暴行死、世界各国で連帯する抗議デモ(写真ギャラリー) 先日、ジョージア州アトランタのエベネザー・バプテスト教会で営まれた故ジョン・ルイス下院議員の葬儀でバラク・オバマ前大統領が弔辞を読みあげた。前半の40分で前大統領は、公民権運動の象徴的存在であったルイス氏の生涯とキャリアを熱弁。スピーチの後半では、現在の病めるアメリカのいくつかの現状――とりわけ、平和的な人種差別抗議デモ参加者に対する連邦政府の不当な扱いと、トランプ大統領と共和党が力を入れて取り組んでいる、アメリカ国民が大統領選で投票する権利の封じ込めに言及した。 オバマ氏は、つねに進化を続けるアメリカについて語り、故ジョン・ルイス氏のような英雄的存在が次の世代がさらなる正義を実現するうえでの光となると述べた。 「ご覧のとおり、アメリカという国はまだ未完成です。我々は、もっと完璧な調和を築くために必要な指示を与えられた状態でこの世に生を受けました。その指示の根底には、我々が不完全であるという概念があります。だからこそ、それぞれの時代の新しい世代の目標は、前の世代が完成させることができなかった仕事を引き継ぎ、可能な限り先まで取り組むことです……(ジョン・ルイスは)この責任に全身全霊で取り組んだだけでなく、自らの生涯をかけました。これは、“トロイの少年”としては素晴らしい偉業です」と1958年にキング牧師に初めて会ったときにアラバマ州トロイ出身のルイス氏につけられたニックネームを引き合いに出した。 前大統領は、進化の不安定さを熟知していたルイス氏の知恵を現在のアメリカと警察暴力の問題に結びつけて語った。 ルイス氏についてオバマ氏は次のように述べた。「ジョンは、自らの生涯を通じて進化というものがいかに不安定なもので、我らがアメリカを襲う歴史の暗い流れに警戒しなければならないことを理解していました。そこには暴力、憎しみ、絶望といったものが渦巻いていますが、我々はつねにそこから這い上がることができます」。オバマ氏はさらに続ける。「ブル・コナー(訳注:アラバマ州バーミンガムの警察署長を務めた人物で、公民権運動を徹底的に弾圧したことで有名)はもうこの世にいません。それなのに我々は、警官が黒人の首を押さえつけている姿を目の当たりにしています。ジョージ・ウォーレス(訳注:1963~1978年にかけて米アラバマ州知事を務めた人物で、人種隔離政策の提唱者)ももうこの世にいません。それなのに、連邦政府が送り込んだ警官隊が催涙ガスや警棒で平和的なデモ参加者を攻撃するといった光景が我々の目の前で繰り広げられているのです」。 その後オバマ氏は、選挙方法に対する不信感を繰り返し示し、アメリカ国民が大統領選で投票するのをあからさまに阻もうとするトランプ大統領と共和党を痛烈に批判した。 「投票するために瓶のなかのジェリービーンズの数を当てるといった難題を突きつけられるようなことはもうないにせよ、我々がこうして座っているいまも、突拍子もない行為を通じて投票に行く人々を阻もうとする人が権力の座についています。投票所を閉鎖したり、制約が厳しいID法で人種的少数派や学生を標的にしたり、外科手術なみの緻密さで我々の投票権をピンポイントで攻撃したり、挙げ句の果てには、コロナ禍での感染を防ぐための頼みの綱となる郵便投票の準備を進める郵便局まで攻撃しています」と前大統領は述べた。 さらにオバマ氏は、ルイス氏の人生に敬意を表する場で現在の文化および政治状況を批判することに眉をひそめる人がいるのを承知で、それでもルイス氏はこれを望んだはずだと語った。

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