ANA、公募増資で最大3052億円調達 新株2286円
全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は12月7日、公募による新株発行価格が1株2286円に決定したと発表した。調達額は最大約3052億円で、払込期日は14日。7日の終値2357円と比べて3%のディスカウントとなり、11月27日の増資発表時の調達予定価格約3321億円を269億円下回った。 2000億円を発注済みのボーイング787型機の導入費用や既存機の客室改修などに充て、残りを長期債務の返済に充当する。 今回調達する資金は、2012年8月と今年3月に発注した787-9と787-10の2機種合わせて24機の購入に充て、大型機の777を置き換えていく。10月27日に発表した事業構造改革では、777など35機を今年度内に退役させるとしており、欧米など長距離国際線に投入している777-300ERも経年機を中心に13機が退役する。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、長距離国際線の主力である出張需要の大幅な戻りが見込めない中、これまではファーストクラスがある777-300ERで運航してきた便にも787を投入し、需給適合を図る。 今年度に退役する35機の内訳は、777-300ERが13機(年度当初計画はゼロ)でもっとも多く、国内線用777-300が2機(同)、777-200/200ERが8機(当初計画は1機)、中型機の767-300/300ERが6機(同1機)、小型機の737-700が4機(同3機)、737-500が2機(6月までに退役済み)。777-300ERは、12月1日に初の退役機(登録記号JA733A)が羽田空港から売却先の米国へ向かった。同型機の国内での退役は初めて。
Tadayuki YOSHIKAWA