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「過失認めず悔しい」 池袋暴走事故初公判 遺族の上原さん、憤りあらわ

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琉球新報

 昨年4月、東京・池袋で乗用車が暴走し、県出身の松永真菜さん(当時31)と長女莉子ちゃん(同3)が死亡した事故で、まな娘と孫を失った上原義教さん(63)=那覇市=は8日、飯塚幸三被告(89)の初公判に被害者参加制度で参加した。初めて飯塚被告と向き合った上原さんは「悔しい」と唇をかんだ。起訴内容を否定し、運転の過失を認めなかった被告の主張に憤りをあらわにした。   「想像通りの人だった」。8日午後、初公判を終えて取材に応じた上原さんは、ため息まじりに飯塚被告の印象を語った。その真意を問うと、語気を強めてこれまでの思いを吐き出した。「自分の過失をかたくなに認めなかった。誰にだって間違いはある。間違いを認めることさえできない人ということが改めて分かった」  公判の冒頭、飯塚被告が遺族に謝罪する場面もあったが「言葉が入ってこなかった」。「自分の非を認めることから謝罪が始まる。それもできないのでは、形だけの謝罪でしかない」と失望と怒りが湧き上がった。「最後まで闘わないといけない」と感じた。  事故から公判までには1年半の月日を要した。三女の真菜さんを失う前に、次女と妻に先立たれた。立て続けの不幸による心労で、不眠に悩まされるようになった。40年近く飲まなかった酒の力に頼って眠った。失意を振り払うように真菜さんの夫・拓也さん(34)と共に被告の厳罰を求める署名活動に奔走した。  署名は39万筆を超え、全国から寄せられる応援の手紙に励まされながら初公判の日を迎えた。現在は四女夫婦と同居する。今月出産予定の、6人目の孫との対面を心待ちにする。妻の影響で通い始めた教会にも足が向くようになった。  亡くなった真菜さんの名前も聖書の一節から名付けた。「神様、なぜ、と思ったこともある」。「神様に守られるように」という願いをこめて命名した娘を失った。事故は上原さんの信仰心にも影を落としたが、少しずつ前に進んでいる。  信仰に導いてくれた妻が遺(のこ)した聖書は今も手元に置いているが、まだ読めていない。「心の整理がつかなくて。読めるようになった時がひとつの区切りになるような気がしている」と前を見据えた。  (安里洋輔)

琉球新報社

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