ゾーンディフェンスを攻略できなかった広島ドラゴンフライズは後半に失速、富山グラウジーズに逆転負け
主導権を握るもファウルトラブルに陥った広島
文=丸山素行 写真=B.LEAGUE 広島ドラゴンフライズvs富山グラウジーズの第2戦。広島は前半に最大で13点のリードを奪ったが後半に失速。最終クォーターはゾーンディフェンスを攻略できずに12点しか奪えず、80-89と逆転負けを喫した。 立ち上がりの広島は、岡本飛竜や田渡凌らガード陣が奮闘。強気なアタックや3ポイントシュートを高確率で沈め互角の展開に持ち込む。第2クォーターに入ってもトランジションから3ポイントシュートを連発するなど得意の形に持ち込み、ゾーンディフェンスに対してもトーマス・ケネディが連動したチームプレーから得点を重ね、アイザイア・マーフィーのドライブから岡本が3ポイントシュートを沈めるなど最大で13点をリードした。 だが、後半開始2分半でチームファウルが5に達したところから流れが富山に傾く。インサイドを制するジョシュア・スミスにこのクォーターだけで11得点を許し、ジュリアン・マブンガにも内外から9得点を許した。広島はこのクォーターだけで13本のフリースローを与え、そのうち12本を決められ、68-69と逆転された。 勝負の最終クォーター、富山は最初からゾーンディフェンスを起用。ここまで連動したチームオフェンスで何度もゾーンディフェンスを攻略してきた広島だったが、ディフェンスに定評のある松脇圭志に連続でスティールから速攻を許したことで、ボール回しにリズムがなくなってしまう。さらに富山のチェンジングディフェンスの前に攻めどころを見い出せず、このクォーターだけで7ターンオーバーとミスが重なった。 ディフェンスで我慢したい広島だったが、スミスのインサイドを強調する富山オフェンスを止められず、さらにセカンドチャンスポイントを許してズルズルと離される。マブンガにステップバックの3ポイントシュートを決められ、ついに2桁のビハインドを背負った。その後もゾーンを攻略できず、マブンガの巧みなゲームメークの前に逆転のきっかけをつかめないまま逆転負けを喫した。