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大戸屋買収に本気のコロワイド。株主の鼻先にニンジン? TOB価格3,081円の意味

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LIMO

大戸屋ホールディングス <2705> は6月25日の株主総会で、筆頭株主であるコロワイド <7616> から出された取締役候補をめぐる提案の否決に成功。しかし、新たにコロワイドからTOB(株式公開買い付け)を受けることになりました。 大戸屋ホールディングスの過去20年の株価推移を見る 大戸屋のほとんどの株主にとって利益が見込める株価でのTOBであることを見ると、コロワイドは本気で大戸屋を取りに来ているようです。株主総会のような逆転劇の再現なるか、コロワイドの大戸屋に対するTOBの行方が注目されます。

コロワイドが大戸屋へのTOBを発表

大戸屋ホールディングス(以下、大戸屋)の筆頭株主(株式シェア19%)であるコロワイドは、6月の株主総会で自らが推薦する取締役12名の選任を求める株主提案を行いましたが、大戸屋の既存株主の反対により否決。個人投資家のファン株主が見せた意外な結束力に助けられた形の大戸屋は、経営再建に向けた動きが注目されていました。 しかしM&A巧者として知られるコロワイドは、転んでもただでは起きません。7月9日には大戸屋に対するTOB(株式公開買い付け)を発表し、大戸屋とコロワイドの対立は第2ステージに入っています。

TOB価格1株3,081円の持つ意味

コロワイドは7月9日に株価3,081円で大戸屋に対するTOBを発表しました。 2019年以降の大戸屋の株価は、2020年のコロナショックで一時1,600円台まで株価が下落しましたが、それを除けば概ね2,200円から2,400円の間を行ったり来たりしていました。 その株価推移に対して1株3,081円でのTOBであり、2019年以降の株主は+3~4割の利益が出るという設定です。さらに大戸屋の株価は2002年12月の495円を底に着実な上昇を続けており、2002年12月以降の株主も全員が利益を得られる水準です。

大戸屋の上場来高値は2002年1月の3,270円

大戸屋はITバブル期の2001年8月にIPO(株式上場)しました。IPO後の株価は順調に上昇し、2002年1月に上場来高値3,270円に到達します。しかしその後は株価が急落し、最終的に2002年12月495円の安値まで下落しました。 よってコロワイドのTOB価格である3,081円を超える株価で株式を所有するのは、天井の2002年1月に取得した投資家のみということになります。つまり、大戸屋の株主のほとんどは、コロワイドのTOBに応じることでキャピタルゲインが得られるわけです。 ITバブル期の株価水準を回復できないままの上場企業も多い中、その時期に付けた天井に近い株価でTOBを行うコロワイドは太っ腹と言えるでしょう。株主総会でコロワイドの株主提案に反対した株主も、今回は直接自らの懐に響く話であり、情の部分はさておき、利の部分では目の前にニンジンがぶら下がっている状態です。 そして、こうしたTOBの株価設定を行ったコロワイドは、本気で大戸屋を取りに来た=子会社化を行う決意、と見ることができます(TOBにより株式シェアを19%から51%まで高め子会社化する計画)。

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