J1神戸が5大会ぶり2度目V 71大会ぶり決勝での関西勢対決を制す 主将・山口「最高です!」/天皇杯
天皇杯全日本選手権決勝(23日、G大阪0-1神戸、国立)J1神戸がJ1・G大阪に1-0で勝ち、5大会ぶり2度目の優勝を果たした。1953年度以来71大会ぶりとなった決勝での関西勢対決を制した。0-0の後半19分、今季新加入のFW宮代大聖(24)が決勝弾。チームは昨季のリーグ優勝に続き、2年連続での国内主要タイトル獲得に成功した。今季もリーグ戦では首位で2連覇に王手をかけており、クラブ初の2冠に挑む。 神戸サポーターの「オー!!」という声が国立競技場に響くと、主将のMF山口は高々と天皇杯を掲げた。G大阪を振り切り、5大会ぶり2度目の頂点。まずは今季1つ目のタイトルを獲得だ。 「最高です! 我慢強く選手がやってくれた。しぶとく、自分たちらしく勝利できた」 決勝では71大会ぶり、1993年のJリーグ開幕後では初の関西勢対決を制し、吉田監督が声を張り上げた。 前半はG大阪の固い守備に苦戦したが、後半19分。GK前川のロングボールからFW大迫、FW武藤とつなぎ、最後はこぼれ球をFW宮代が右足で押し込んだ。値千金の決勝ゴールに、宮代は「みんなに感謝です」と喜んだ。 昨季は大迫、武藤、山口、DF酒井らベテラン勢がフル回転し、悲願のリーグ初制覇。クラブを常勝軍団へと導くため「タイトルを取り続けないといけない」(吉田監督)と誓った昨オフにクラブは補強に動き、加入したのが宮代だった。 オファーが届いた際、周囲からは「ハードルが高い」「同じポジションにすごい選手がいる」「覚悟はあるのか?」との声も聞こえたという。だが「1つ上に行くにはこういう環境(が必要)」と決断。「憧れちゃダメ」とW杯2大会出場の大迫らに対抗心を燃やし、「負けたくない」と力に変えてきた。今季、リーグ戦では自身初の2桁得点を達成。天皇杯では出場5試合で3得点とプロ6年目での飛躍につなげた。 吉田監督も選手をサポート。オフの日には「ルーチンみたいに行っている」とパソコンを持って様々なカフェに出向き、一人で黙々と対戦相手のデータを分析。「今年は行けていない」と趣味の釣りも封印し、数字と向き合った。 名実ともにビッグクラブとなるには、結果を出し続けるしかない。次の目標は、残り2試合で首位に立つリーグの2連覇。クラブ初の国内主要タイトル2冠は目前だ。(西垣戸理大)
◆神戸・三木谷浩史会長 「チームの地力がついてきた。前(19年度大会の優勝)は興奮でしたけど、(今回は)充実感がある。(J1の)あと2試合、手綱を緩めず頑張ってほしい」