ピチピチな秋の味覚 小ブナの出荷始まる 甘露煮が郷土食、長野県
長野県上伊那地域で30日、甘露煮が秋の郷土食として親しまれている小ブナの出荷が始まった。上伊那農協の鮒(ふな)部会の部会長を務める中川村の根井昭男さん(74)が約460キロを出荷。9月末にかけて会員7軒で計4トンの出荷を見込む。 【写真】小ブナを産んだ親ブナ
この日は農協職員らが、泥をはかせるために移していたいけすから網で小ブナをすくい、重さを量ってからトラックの水槽に載せて出荷した。成長した小ブナの体長は3~5センチ。網ですくうと、ピチピチと元気に跳ねていた。 根井さんが小ブナを育て始めたのは20年ほど前。約40アールの休耕田に近くの沢から水を引いて養殖池にした。今年は1・2トンを出荷する計画。夏の高温の影響で大きさに少しばらつきが出ており、「出荷を迎えられて安心した」とほっとした表情を見せた。 出荷した小ブナは31日から上伊那地域のスーパーや直売所など15店に並ぶ予定だ。