手足口病と診断されたのに...実は「太陽光を浴びられない」遺伝性疾患だった1歳半の女の子。家族が心情を明かす
アメリカ・ウィスコンシン州ハートフォードに住む、7歳の少女アデライン・トンホイザー。重度のポルフィリン症をもって生まれた彼女は、太陽の光による焼けるような痛みを避けるために、頭からつま先までの皮膚を覆わなければならないという。 【写真】皮膚を完全に覆い隠す、7歳の少女アデラインちゃん。可愛らしい笑顔も
太陽を光を浴びられない少女
厚生労働省によると「ポルフィリン症」とは、ヘム代謝系に関わる8つの酵素のいずれかの活性低下により、ポルフィリン体あるいはその前駆体が蓄積することによって発症する、まれな遺伝性疾患であるとのこと。 アデラインの皮膚は日光に過敏なため、紫外線を浴びると痛みを伴う水ぶくれができ、感染症や瘢痕化の危険性があるという。そのため学校でも、長袖、長ズボン、さらに帽子に手袋で完全に皮膚を隠して授業を受けなければならず、休み時間も室内で過ごしていると『TODAY.com』は報じている。 アデラインは、1歳半(生後18カ月)の時にポルフィリン症と診断され、そのときのことを父親のカートさんは「完全に打ちのめされ、私たちは感情的になっていました」と振り返り、母親のメーガン・ダンさんはアデラインの置かれている状況についてこのように語った。 「彼女は普通になりたいと望んでいますし、他の子どもたちと同じように外に出て遊びたいだけなのです」
ポルフィリン症と診断されるまで
メーガンさんの妊娠は正常で出産も順調だったが、アデラインはしばらくしてから尿が赤くなり、足の爪は剥がれ、足の甲には虫刺されのようなものができて治らなくなったという。それから手や腕、足など、衣服に覆われていない部分に水ぶくれができ始めたとのこと。 当初小児科医は、手足口病と伝染性膿痂疹であるとの診断を出したものの、小児皮膚科医はすぐにポルフィリン症を疑ったそう。そして検査の結果、アデラインは「先天性赤芽球性ポルフィリン症」と呼ばれる非常にまれな病型で、米国希少疾患患者協議会によると世界で報告された症例はわずか200件程度であるという。また、両親ともこの病気を引き起こす遺伝子変異を持っているが、両親自身はこの病気を発症していない。