【マイラーズカップ】善戦マンの〝血の呪縛〟を解く!エアロロノア笹田調教師「前走でひと皮むけた」
[GⅡマイラーズカップ=2022年4月24日(日曜)4歳上、阪神競馬場・芝外1600メートル] 若かりしころ、好きになった馬がいる。エアデジャヴーだ。単勝勝負が基本の当方にとって桜花賞3着、オークス2着、秋華賞3着と1998年の牝馬3冠は悔しい思いの連続だったわけだが、当事者たちのそれは当方の比ではなかったことだろう。あのころはこの血統を後々、取材することになるとは夢にも思っていなかったのだが…。 エアデジャヴーを祖母に持つエアスピネルという素質馬が現れた。しかし、皐月賞4着、ダービー4着、菊花賞3着と、祖母をなぞるかのように2016年の3冠戦はすべて惜敗。「エアデジャヴーの血なのかな」と管理する笹田調教師さえもそう口にしたくらいで、エアスピネルがGⅠで惜敗を重ねるたびに、若かりしときに熱が入ったエアデジャヴーをいつも思い出してしまう。 ちなみにエアスピネルの母エアメサイアは05年の秋華賞を勝ってはいるのだが、桜花賞は4着、オークスは2着、06年ヴィクトリアマイルも2着と、やはりこの血統はGⅠで善戦止まりがやたら多い。半面、これだけの活躍を見せている母系なのだから、何かひとつキッカケさえあれば大爆発するポテンシャルを秘めているのもまた間違いないだろう。 前置きがやたら長くなったが、昨年に続いてGⅡマイラーズC(24日=阪神芝外1600メートル)に出走するエアロロノアは祖母がエアメサイア、叔父にエアスピネルがいる血統馬だ。母エアワンピースには4歳春から3連勝を飾り、これからという時に脚部不安で引退を余儀なくされてしまった経緯がある。 「エアメサイアの初めての子で期待は大きかったし、父は世界的な名マイラーのロックオブジブラルタルだったんだけどね。不運にも筋を傷めてしまって…。無事なら間違いなく、もっと活躍できた馬だった」 笹田調教師にとっては母エアワンピースの無念も含め、エアデジャヴー(義理の父・伊藤雄二元調教師の弟・正徳元調教師が管理)→エアメサイア(伊藤雄二元調教師が管理)から続く一族にゆかりのある血統エアロロノアとのコンビで、大きなタイトルを取りたい気持ちはそれだけ強い。