犬にかまれる人の数が減らないニュージーランド…意見が割れるその対策
ニュージーランドでは10月下旬に、痛ましい事件が起きました。生後たった1日の赤ちゃんが犬に襲われ、亡くなったというのです。 ニュージーランドでは病院で出産した場合、安産で、母子ともに健康、自宅に戻っても助け手がいるようであれば、出産後すぐにでも自宅に戻ることができます。おそらくこのお母さんはその条件に合うと判断されたために、自宅に赤ちゃんと戻っていたのでしょう。 庭で赤ちゃんと過ごしていた時に事件は起きたようです。お手洗いに行こうと赤ちゃんから少し目を離したすきに、庭にいた飼い犬2匹が赤ちゃんを襲ったと見られています。なお、生後すぐの赤ちゃんと外に出るというのも、こちらではごく普通のことです。人ごみなどはいけませんが、自宅の庭などはまったく問題ありません。 実は国内では、犬が人をかむ事件が度々起きています。被害者の多くが10歳以下の子どもです。何らかの対策を講じなくてはいけないものの、意見は割れています。
筆者も3匹の見知らぬ犬に取り囲まれた
生後1日の新生児が亡くなった事件を聞いて筆者がまず思い出したのは、10年以上前の経験です。それはまだ、娘が乳児の頃でした。 ある日、外出から戻り、自宅前に車を止め、後部座席から娘が乗ったベビーシートを車の外に出した時のことです。どこからか3匹ほどの大型犬がサッと現れ、ベビーシートを持つ私を取り囲んだのです。大型といっても、がっちりした体格ではなく、比較的細身の犬でした。 筆者は頭の中で「これは大変なことになるかもしれないぞ」と思いました。動物好きなので、この3匹の犬が何もしないと信じたい半面、娘が一緒でしたので、「かむなら私からにしなさい」と頭の中で犬に話しかけていました。 こう覚悟を決めたとたん、犬たちは「なんだ、つまらない」という顔をして、もと来た道を引き返して行ったのです。ほっとしてへたり込みそうになりましたが、何とか玄関までたどり着き、一件落着となりました。 ずいぶん前のことなので、犬種などは覚えていません。でもはっきり覚えているのは、登録済みを示すタグ付きの首輪を着けていなかったことでした。