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36歳BANKIYO!日々自分との闘い。何かやる。彼はやる。きっとやる。ー本村ひろみの時代のアイコン(35) BANKIYO(現代藝術家)

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琉球新報

アーティスト自身が作品のような存在感。BANKIYO(バンキヨ)さんはそんな印象の人だ。BANKIYOのBANは番長のバン。KIYOは名前から一文字とっている。そんな名前の通り、BANKIYOさんには圧倒的な存在感がある。取材で初めてお会いした瞬間、昔からお世話になっている先輩に久しぶりに会ったような安堵感があった。私よりずいぶん年下なのですが。相手の心をオープンにしてくれるその貫禄はどこからくるのか、がぜん興味が湧いた。 沖縄アート界でも、きょうだいの中でも番長 BANKIYOさんは四人きょうだいの長男。兄の存在はきょうだいの中でも要だ。美容の世界からアートの世界へ進んだ兄の後に続き、妹たちもロンドンにあるアートの名門大学セントラル・セント・マーチンズで現代アート、コンテンポラリージュエリーを学んでいる。「きょうだい三人がセントマーチンズの卒業だなんて!」と私が言うと、教授にも驚かれましたよ、とBANKIYOさんは笑った。 ご存じの方も多いと思うが、妹の新里明子さんは世界的なコンテストで数々の賞に輝き、スワロフスキーデザインコンペティションで優勝、ロンドンを拠点に活躍している新進ジュエリーデザイナー。次女のともこさんも現代アートの作家としてヨーロッパで活動している。そんな妹たちにとっても兄貴はアートの番長に違いない。 依頼者の思いを形に BANKIYOさんは沖縄に戻ってきてオーダーメードュエリー&アイウェアのブランドVIVONを立ち上げた。オーダーメードジュエリーを制作する際は、お客さんに“宿題”を与え、依頼者との会話の中で生まれたアイデアをオリジナルの作品に反映させている。例えば、ブライダルリングをオーダーする二人には「二人の結婚に対する思い」「子どもや孫ができた時(子どもがいないとしても大切な誰かの)形見になるような、つなげる思い」を考えてもらう。そうするのは、けんかをしても指輪を見ると初心に戻れる、そんなリングになってほしいから。 個人的なオーダーの方には「大切にしていきたい思いや大切な人に受け継いでもらえる思い」を宿題にする。それぞれの答えがその人らしさになる。そんな思いを形にした、スタイリッシュで洗練されたジュエリーをぜひサイトで確認してほしい。手元に輝くアートの美しさにため息がでます。 コロナ渦のストレスを抱えて生きる人びとをアートで表現 今年7月。かねてから考えていた“無人販売のようなギャラリースペースを街に”と、一坪のアートギャラリー「PEEPAHOLIC ART GALLERY」を那覇の元公設市場近くにオープンした。“無人販売のような”というのは、見えない信頼感というコミュニケーションで成り立っている場をイメージしている。そこは2カ月ごとに、新作を発表する空間だ。オープニングの作品「YOU ARE HERE KEEP SOMETHING」(現在展示中)は、コロナ禍でギャラリーの内装工事をしている時、みんながつらそうにしながらも、意地でも呼吸している様子や通りの空気の流れがスパンスパン(BANKIYOさんの表現)と流れているのを可視化したもの。新型コロナウイルスの影響でストレスを抱えながら日々を生きる人たちをテーマにした作品と最初の展示となった。 ギャラリーショーウィンドウの前では、買い物や散歩途中の人など道行く人が立ち止まる。わざわざ作品を見にギャラリーに足を運ぶスタイル以外に、作品に出会う仕組み、たまたまアート作品に出会うという楽しさもある。BANKIYOさんは「勝手に人を引き込む場所、そんな空間にしたくて市場を選んだんです」と話した。彼の思い通り、初めて現代アートに触れる人も敷居が高くない。近所の商店のおばちゃんたちも「次の作品を楽しみにしているよー」と声を掛けてくれるそうだ。ちなみに次回の作品は「妖怪ポールダンス」。BANKIYOさんらしいユーモアのある作品タイトル。9月末にはショーウィンドウにお目見えしますので乞うご期待! 沖縄アート界の番長として実現させたいこと 現代アートは難しいとよく耳にする。 一般的に作品のコンセプトを知らないと理解できないという印象を持たれている。例えば、印象派なら“幸福感” “心地よさ” “のどかさ”などのイメージが湧くが、現代アートと言われる作品の前では思わず「これ何?」と足が止まる。でもそこが重要!まさにそれこそが現代アートの役割。何気ない日常に「ハッ」とさせる瞬間を与えて、いま目の前にある現象を問いかける。現代アートは自分とのおしゃべりのようなものだと私は思っています。 BANKIYOさんはこれからの沖縄のアート界の番長として、すでに課題をいくつか持っていた。 例えば、  1. 沖縄のアーティストのオークションをスタートする  2. 街のあちこちにあるウィンドウディスプレイをアートの表現の場として、見せ方、在り方を提案したい  3. アートのトークイベントを定期的に開催、など。 これからの企画に向けてBANKIYO番長は「人を動かす」ことを真剣に考えている。そんな活動の原動力になっているのは「誰もが自分自身と向き合うことで自分を知ることのきっかけになれば」という熱い思いだ。 「誇りを持って自分を生きていこう!」 BANKIYOさんはきっとこれからも突き進む。そんなアート番長BANKIYOさんの応援団になりたいと思った取材でした。 ギャラリー名の“PEEPAHOLIC(ピーパホリック) ”はBANKIYOさんの造語で「のぞき見中毒」の意味。 ぜひみなさんもBANKIYOさんの時代のエッセンスをのぞきにギャラリーを訪ねてください。 【BANKIYO(バンキヨ)プロフィール】 BANKIYO(バンキヨ) VIVON 代表 PEEPAHOLIC ART GALLERY 館長 現代藝術家 華道家 ロンドンに留学。2011年に帰沖し、自身のブランドVIVONを立ち上げる。 芸術家として数々の作品を製作する傍ら、ジュエリー、アイウェア、など様々なデザインも手がける。「てめぇをやろうぜ 」をテーマに、常に製作活動をしている。 PEEPAHOLIC ART GALLERY 沖縄県那覇市松尾2-11-17 (マップはこちら) 【Instagram】 https://www.instagram.com/peepaholic_art_gallery/?hl=ja VIVON 【HP】 http://vivon.jp/ 【Instagram】https://www.instagram.com/vivon_jp/?hl=ja 【筆者プロフィール】 本村ひろみ 那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学造形芸術科修了。 ラジオやテレビのレポーターを経てラジオパーソナリティとして活躍。 現在、ラジオ沖縄で「ゴーゴーダウンタウン国際通り発」(月~金曜日 18:25~18:30)、「 WE LOVE YUMING Ⅱ 」(日曜日 19時~20時)を放送中。

琉球新報社

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