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「中国式法治」押し付け 出先機関に特権的地位 香港国家安全法

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時事通信

 【北京時事】香港で6月30日に施行された「香港国家安全維持法」は、中国当局の判断次第であらゆる反政府的な言動を取り締まることができる不透明な「中国式法治」を体現している。  中でも、中央政府が新設する出先機関「国家安全維持公署」には、香港で自由に動き回れる特権的地位を与えた。  「香港特別行政区は成立23周年の誕生日プレゼントを受け取った」。国務院香港マカオ事務弁公室の張暁明副主任が1日の記者会見で満足そうに語った贈り物は、香港の民主派勢力を震え上がらせるのに十分なものだった。  象徴的な存在が同法第48条から61条に規定された「国家安全維持公署」。張副主任は「公署が行使する権力は、香港の自治権の範囲を超えている。国家機密も扱うため、香港政府が管轄することはできない」と、「治外法権」を正当化した。  公署が直接関与できる案件は(1)外国勢力が介入した複雑な状況(2)香港政府が同法を執行できない重大な状況(3)国家の安全が重大な現実の脅威に直面した状況―の3ケースだが、それに該当するか判断するのは中国政府。さらに、公署が扱う案件は、起訴、裁判手続きも全て中国の国内法に基づき行われる。  また、国家分裂や政権転覆など4類型化した犯罪の定義では、「中国からの分離」「中国の根本制度の破壊」などを禁止。外国勢力と結託して「香港と中国に制裁を求める行為」や「政府への憎悪をあおる行為」なども禁じ、昨年のような反政府活動にはいずれかを適用できる構えを示した。  一方、1日の記者会見では香港メディアが「同法に反対すると9月の立法会(選挙)への立候補資格を失うのか」と質問した。これに対し、全国人民代表大会常務委法制工作委員会の沈春耀主任は「民主派陣営を仮想敵として法律を制定したわけではない」としながらも、「真剣に検討しなければならない問題だ」と明言を避けた。 

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