習近平が「戦争」の準備を始めた…! いまアメリカと衝突したら「中国が勝つ」って、本当か?
中国が「戦争の準備」を本気で進めている
軍には参謀部があって、実際の戦争の前に、机上演習(シミュレーション)で作戦を練る。赤軍と青軍に分かれて戦い、審判が勝敗を判定する。 最近は、審判の代わりにAIが勝敗を判定する、「ウォーゲーム」が主流である。アメリカの軍事専門家は、米中の衝突をいろいろなシナリオでやってみたが、結果はだいたいアメリカ軍の「負け」だという。中国でも同様のウォーゲームをやってみて、結果はだいたい中国軍の「勝ち」になっているに違いない。自信を深めているだろう。 実際に、どういう状況でいつ、戦端が開かれるのか。それとも開かれないのか。誰にもわからない。確実なことは、中国が戦争の準備を本気で進めていること。そして、「ウォーゲーム」で勝つことになっている作戦は、実行に移しやすいことである。 アメリカは核大国ではなかったか。中国も強力な核戦力をもっていなかったか。核保有国同士が戦争をして、核戦争にエスカレートしないのか。 核戦争にエスカレートする危険があるので、米ソの間で戦端は開かれなかった。イデオロギーが違うまま、にらみ合った。冷戦である。 でも、米ソ冷戦の常識は、中国とアメリカのあいだでは通用しない。実際に、戦争になる可能性がある。 米中が軍事衝突すれば、日本にとってもただごとでない。その日に備えて、しっかり頭の予行演習をしておくべきなのである。
橋爪 大三郎(社会学者)