ダービーはドロー決着！(C)Getty Images

29日のラ・リーガ第8節、シビタス・メトロポリターノを舞台としたアトレティコ・マドリー対レアル・マドリーは1-1の引き分けで終わった。 【動画】アンヘル・コレアが劇的同点弾！ 今季初のマドリーダービー。昨季のダービーはアトレティコが2勝1分け1敗で勝ち越しており、なおかつ勝利したラ・リーガとコパの一戦はどちらもメトロポリターノが舞台だった。昨季ラ・リーガ＆チャンピオンズリーグを制覇したレアル・マドリーにとっては、シーズンを通して唯一敗北を味わったスタジアムである。 アトレティコはここまでフル稼働だったコケをベンチに置いてGKオブラク、DFモリーナ、ル・ノルマン、ヒメネス、レイニウド、MFデ・ポール、ジョレンテ、ギャラガー、フリアン・アルバレス、FWグリーズマン、スルロットを起用。その一方でエンバペが負傷離脱したレアル・マドリーは、4-3-3から昨季の4-4-2にシステムを戻してGKクルトワ、DFカルバハル、リュディガー、ミリトン、メンディ、MFバルベルデ、モドリッチ、チュアメニ、ベリンガム、FWロドリゴ、ヴィニシウスをスタメンとしている。 「最後の日々まで」とアトレティコサポーターが自クラブへの忠誠を誓う大横断幕が掲げられてから、ダービーはキックオフのホイッスルを迎える。「ビキンゴス（レアル・マドリー）はどちらが首都を支配しているか知れ」「マドリディスたちはク◯野郎」といった対レアル・マドリー用のチャントが響き渡る熱狂の中で、ピッチ上ではそれとは正反対の極めて手堅い試合が展開されていった。 9分、アトレティコはフリアン・アルバレスが左サイドからペナルティーエリア内に単独突破。そのままシュートを放ったが、これはGKクルトワにセーブされる。アトレティコはこれ以降、ほとんどチャンスを生むことなく、レアル・マドリーにボールを保持され続けることになった。 だがレアル・マドリーもボールこそ持ちながら、アトレティコのコンパクトな守備を前に苦戦。シュートはミドルレンジから放つものに限られた。17分、バルベルデが叩いたボールはオブラクに横っ飛びでセーブされ、27分に迎えたフリーキックでバルベルデが放ったシュートは枠の右へ。また36分、ベリンガムが今度はグラウンダーのシュートでゴールをうかがったが、これは再びオブラクにブロックされている。 前半はスコアレスのまま終了。ハーフタイム、シメオネ監督はビルドアップがほとんどできなかったことを受けて、モリーナを下げてコケを投入する。迎えた後半はより一進一退の攻防となったが、どちらも確度の高いチャンスはつくれないまま。シメオネ監督は早くも55分に次の交代カードを切り、前線で機能していなかったスルロットをリーノに代えてシステムを4-4-2から5-4-1に変更している。 だがゴールを奪ったのは、焦らず試合を進めていたレアル・マドリーの方だった。64分に迎えたゴール手前からのフリーキック、モドリッチが左サイドのヴィニシウスにパスを通し、背番号7がファーサイドにクロス。このボールをトラップしたミリトンが左足のハーフボレーでオブラクを破っている。 スコアが動いた後、嘆かわしくも試合は中断となる。元アトレティコGKクルトワの後方のスタンドに陣取る同クラブのウルトラスが、マッチやペットボトルを“裏切り者”である彼に向かって投げ入れ、それによって審判は試合を止めざるを得なくなった。選手たちは一時ロッカールームへと戻っている。 10分の中断期間の後に試合は再開。アトレティコはコレア、ロドリゴらを入れて攻勢を見せるが、クルトワの好守にも遭って同点に追いつくことはできない。対するレアル・マドリーもヴィニシウスが決定機を迎えたものの、こちらはオブラクのセーブに阻まれた。試合はこのままドローで終わるかに思われたが、最後にドラマが待っていた。 後半アディショナルタイム、ハビ・ガランのスルーパスからコレアがペナルティーエリア内に侵入。アトレティコ最高のスーパーサブは飛び出してきたクルトワを巧みにかわしてからボールを枠内に流し込み、アトレティコが劇的に同点に追いついた。 結局、試合はドローで終了となり、スペイン首都の両雄は勝ち点1を分け合った。アトレティコの成績は3勝4分け、レアル・マドリーは4勝3分けとなり、7勝1敗の首位バルセロナを追っている。