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[新型コロナ] コロナ禍で在宅 野菜苗、貸農園、書籍が好調 家庭菜園 都市部でブーム?!

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日本農業新聞

 新型コロナウイルスの影響による外出自粛、テレワークの定着など“おうち時間”が増えたことで、家庭菜園に取り組む人が増えてきた。ホームセンターや直売所では野菜苗が売れ行き好調で、貸農園でも新規契約者が急増、家庭菜園の本もよく売れている。都市住民の「自給自足」「生産」への関心の高まりが背景にあるとみられ、農家らは「農業への理解につながる」と歓迎している。

食への危機感「自給自足」へ レジャー代替リフレッシュ

 千葉県館山市の鈴木農園は、4月半ばから大型連休にかけてナス、トマト、ピーマン、キュウリなど14種・57品種、16万鉢もの野菜苗を、安房地域の直売所と種苗店6店舗に出荷した。代表の鈴木衛さん(68)は「連休前に出荷量が急に増えた。出荷時期に合わせて種をまくが、前倒しで出荷している感じだ」とこれまでにない需要増を実感する。  家庭菜園を始める人が増えていることに「農家への理解が深まるのはいいこと。収穫の喜びを味わってほしい」と願う。  東京都青梅市のJA西東京かすみ直売センター。緊急事態宣言下の4、5月、来客数が前年比118%、野菜苗の売り上げが同110%と、例年以上のにぎわいを見せた。キュウリやトマトなど初心者にも比較的育てやすいものを中心に、パプリカなどもよく売れた。大久保勝人センター長は「コロナ対策で交代勤務を導入し、半数のスタッフで2割増しのお客に対応していた」と振り返る。  サカタのタネは培養土やプランター、鉢などの園芸資材の売り上げが3、4月、オンラインショップで前年同月比の2倍、初心者に人気のハーブの種子が同2倍、エダマメは同3倍となった。担当者は「今春、園芸を始める人が多かったことの表れ」とみている。  日本野菜育苗協会の綿貫雅夫会長は「新型コロナウイルスの影響で、野菜を自分で作ってみようという機運が高まったことが背景にあるのではないか」と分析する。  市民農園、貸農園も人気が高まっている。関東と関西の都市部を中心に貸農園を展開する「シェア畑」では、3月と5月の新規契約件数が過去最高を更新した。例年、3~4月は新規の契約が400件台で推移している。それが今年は緊急事態宣言を受けて、4月は新規受け付けをストップしたが、3月に約550件、5月に約670件と大幅増となった。  「シェア畑」の運営会社であるアグリメディア(東京都新宿区)の担当者は「散歩の機会が増えて畑を見掛けて始める人や、どこにも行けない代わりに屋外でリフレッシュできるからとレジャー感覚で始める人が多い」とみる。  家庭菜園関連の書籍も好調だ。内外出版社の『コップひとつからはじめる自給自足の野菜づくり百科』(はたあきひろ著、2019年5月発売)は4月に入り、1週間の売り上げが3桁台に急増し在庫切れが続出。増刷が決定した。同社の担当者は「スーパーの食料品の品薄による飢餓感から『自給自足』というワードが注目されたのではないか」と推察する。東京、神奈川、愛知、京都など都市部の書店で特に売れ行きがいいという。  家の光協会が出版する『決定版 野菜づくり大百科』(板木利隆著、20年3月発売)も好調だ。同社の担当者は「本という嗜好(しこう)品は落ち込むのではないかと心配したが、4、5月の書籍売り上げは前年同月比110%に伸びた。他のジャンルが伸び悩んでいる中、園芸が支えた」と明かす。

日本農業新聞

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