大ヒット商品も誕生 元 コーチ のリード・クラッコフ氏は老舗ジュエリーブランドをどう改革したのか
デザインの刷新 先鋭的でセクシーなジュエリーに
ライバルから既存のマーケットシェアを奪うことに加えて、ジョン・ハーディにとっての大きなチャンスのひとつが男性の顧客だと、クラッコフ氏は話す。新たな顧客層である男性は、ほかのジュエリーブランドに比べてカジュアルなジョン・ハーディのスタイルに魅力を感じるようになっているという。 しかし、クラッコフ氏に与えられた最重要任務は、やはり何といっても、ジョン・ハーディのジュエリーとデザインコンセプトから興奮を生み出すことだ。「ジョン・ハーディはサステナビリティと職人技に優れた素晴らしいブランドだが、デザインや時代性に関しては、リフレッシュが必要だった」。同氏によれば、ファッションアイテムと比較した場合、ジュエリーは身につける頻度が高く、また多額の出費も強いられるため、その購入には熟慮が要求される。消費者の支出を勝ち取るには、「ほかでは手に入らない、心奪われるものを提供しなければならない」と、同氏は語る。 クラッコフ氏はいま、この課題に真っ向から取り組んでいる。ジョン・ハーディのクリエイティブチームを率いるようになって半年、同氏は9つのコレクションを発表した。新シリーズであるスピアー(Spear)とサーフ(Surf)、ラブ・ノット(Love Knot)、ナーガ(Naga)、エッセンシャルズ(Essentials)の売上はすでに、これまでのジョン・ハーディの全コレクションを上回っている。クラッコフ氏によれば、ジョン・ハーディがこれまでに販売してきたジュエリーのなかで、もっともクールで、セクシーで、大胆で、彫刻的で、カラフルで、高尚なのが、これらだという。セクシーさを前面に押し出したスピアー・チョーカー(Spear Choker)は、売上トップ5のなかのひとつだ。もともとは、マイアミのポップアップストアで独占販売することになっていたボディーチェーンのコレクションは、需要に合わせてパーマネントコレクションのひとつになっている。 「ジョン・ハーディのなかで新たに出てきたカテゴリーが、先鋭的でセクシーなジュエリーだ」と、クラッコフ氏は語る。「これがジョン・ハーディをそこに進出できていないブランドから際立たせている。そうしたブランドにこのタイプのジュエリーを顧客が求めることはない」。