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映画館の感染拡大予防対策と、営業再開の見通しは?全興連が会見「映画館は“3密”ではないとしっかり伝えていきたい」

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MOVIE WALKER PRESS

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が全面解除され、5月28日、映画館の業界団体である全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)が東京都内で会見を行い、映画館の営業再開に際しての「感染拡大予防ガイドライン」について発表。「安心、安全に映画を楽しんでいただけるよう、全力で取り組む」と話した。 【写真を見る】クラウド・ファンディングによるミニシアター支援など、様々な活動も行われている。入江悠監督が特別寄稿 4月7日に発令された緊急事態宣言を受けて、全国の映画館が休業を余儀なくされた。宣言解除に伴う休業要請の緩和によって、各地で徐々に営業再開が始まっているが、東京都が緩和行程を3段階で示す「ロードマップ」では、映画館は「ステップ2」に該当。28日現在、東京都内ではいまだ休業要請は解除されていないものの、月内にも緩和されるのではとの見方が強まっている。 ■映画館の“3密”対策「安心、安全に映画を楽しんでいただけるよう取り組む」 会見には、全国興行生活衛生同業組合連合会、副会長の佐々木伸一が出席。「感染拡大予防ガイドライン」では密閉、密集、密接の“3密”を避けることが大前提となり、佐々木副会長は「映画館、および興行場は、各都道府県によって違いはあるものの、興行場法という法律の認可のもと営業をしている」と各種法令において一定の空調設備の整備が義務付けられているため、「換気はきちんと行われている。そもそも映画館は“密閉”ではないことを、ご理解いただきたい」とコメント。 換気能力は1平方メートルあたり毎時75立方メートル以上と厳密で、観覧室の床面積が400平方メートルを超えるもの、地下に観覧室があるものは空気調和設備もしくは第1種機械換気設備を設けることが義務づけられている。 “密集”については、行列や混雑が想定される場所では、できるだけ2メートルを目安に、最低1メートルの間隔を空けた整列を促す等の工夫、対策を行うという。またスクリーン内でも、十分な座席の間隔の確保(前後左右を空けた席配置、距離を置くことと同等の効果を有する措置など)に努めることがガイドラインに盛り込まれた。佐々木副会長は、スクリーンのキャパシティについて「最大でも50パーセントの座席しか販売しない」とキッパリ。「当面は舞台挨拶やイベント、声を発する応援上映など、飛沫感染につながる上映会はいたしません」と“密接”についても対応策を語り、「映画館は“閉じられた空間”というイメージがあるかもしれないが、実際に映画館は“3密”ではないということをしっかり伝えていきたい。安心安全に映画をお楽しみいただける環境づくりを、業界全体として取り組んでいきたい」と強い覚悟を示した。 ■映画館は「文化的に貢献しているという自覚はある」 記者からは「東京都のロードマップで、美術館や博物館は『ステップ1』であるのに対して、映画館は『ステップ2』となった。どう考えているか」との質問も上がった。小池百合子知事は「ステップ1」について、都民の文化的、健康的な生活を維持するうえで必要性の高い施設への要請を緩和するとしており、映画館が「ステップ2」になったことは、佐々木副会長は「私も愕然とした」と率直な思いを吐露。「映画館を含む興行場は、都民の文化的な生活を維持するうえで必要性が高い施設だと考えている」と持論を述べた。 さらに「行政が文化的に必要かどうかを判定するのは、非常に怖いことだなとも思っている。意見もお伝えした」と明かし、「感染リスクという意味で、博物館、美術館と、映画館のリスクはなにが違うのかという想いはありますが、『ステップ2』の移行を早くしていただけることで、我々の気持ちにも応えていただけているのかなと思う。当然、文化的に貢献しているという自覚はある」と力を込めていた。 ■課題、厳しさも…「踏みだすことが、映画再興の第一歩」 ガイドラインを守ることで、業界全体に厳しい状況も訪れる。50パーセントの座席しか販売しないと明言しているが、「経営的には非常に厳しくなる。座席数が減らされるのは非常に厳しい。ソーシャルディスタンスを守るために、上映回数を減らすということも起こりうる」と佐々木副会長。 「厳しくなることは間違いないが、まずは感染拡大を防ぐのが大前提。それならば『営業しなくてもいいのでは』と言われるかもしれないが、感染拡大防止をしたうえで踏みだすことが、映画再興の第一歩。苦しいなかでも営業をして、ワクチンや薬の開発や状況を見ながら、少しずつ戻していくしかない」と未来を見つめ、「30秒ほどの映像を作成し、幕間に流すことを考えている。ガイドラインに基づいて、安心、安全に楽しんでいただける場だというキャンペーンを行なっていきたい」とアピールしていた。 「我々は映画文化を守ると同時に、映画館文化も守っていかなければならない。作品の作り手へのリターンを最大化するためには、映画館での上映をしてから2次利用、3次利用という流れが一番リターンは大きいはずだと確信しています。そのためにも映画館のインフラを整えて、マーケットを維持していく必要があると思います」と力強く語った。 主な感染予防ガイドラインは次のとおり。全文は、全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)の公式サイトに掲載されている「映画館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」(https://www.zenkoren.or.jp/news-pdf/0522_COVID-19_guideline.pdf)を確認してほしい。 ■施設内の各所における対応策 1.施設内共通 行列や混雑が想定される場所では、できるだけ2メートルを目安に(最低1メートル)の間隔を空けた整列を促す等の工夫を行う。 2.スクリーン内 ・十分な座席の間隔の確保(前後左右を空けた席配置、距離を置くことと同等の効果を有する措置等)に努める。 ・施設管理者は、各回の上映ごとに、その上映前に、スクリーンのドアノブや手すり等、不特定多数が触れやすい場所の消毒を行う。なお、消毒液は、アルコールや次亜塩素酸ナトリウム溶液等、当該場所に最適なものを用いる(以下、消毒液に関する記載において同じ)。 ・施設管理者は、興行場法により定められた各都道府県が求める換気性能が確保できているか確認する。 ・施設管理者は、幕間に扉を開放して、スクリーン内の換気を行う。 3.映画館入口 ・施設管理者は、映画館の入口に、手指消毒用の消毒液を設置する。消毒液は定期的な交換を行う。 4.チケット窓口 ・対面で販売を行う場合、可能な範囲でアクリル板や透明ビニールカーテンを設置し、購買者との間を遮蔽するよう努める。 ・現金の取扱いをできるだけ減らすため、オンラインチケットの販売やキャッシュレス決済を推奨する。 5.ロビー、休憩スペース ・人と人との距離をできるだけ2メートルを目安に(最低1メートル)確保するよう努める。 ・対面での飲食や会話を回避するよう促す。 ・上映前後に、人が滞留しないよう、段階的な出入り等の工夫を行う。 ・常時換気を行う。 ・テーブル、椅子等の物品の消毒を定期的に行う。 ・従事者が使用する際は、入退室の前後に、手洗いや手指消毒を行う。 6.トイレ ・不特定多数が接触する場所は、清掃・消毒を行う。 ・トイレの蓋がある場合、蓋を閉めて汚物を流すよう表示する。 ・ハンドドライヤーや共通のタオルの使用は行わない。 ・液体石鹸や手指消毒用の消毒液を設置し、手洗いや手指消毒を行う。消毒液を設置する場合には、定期的な交換を行う。 7.売店(コンセッション及びグッズ売り場) ・現金の取扱いをできるだけ減らすため、キャッシュレス決済を推奨する。 ・トレイ等の消毒を徹底する。 ・売店に関わる従業員は、マスク(必要に応じてフェイスガード)の着用と手洗い を徹底し、飲食施設の利用者も手洗いや手指消毒を行ってから入場する。 ・ユニフォームや衣服はこまめに洗濯する。 8.清掃・ゴミの廃棄 ・幕間に余裕を持たせ、十分な清掃時間を確保する。 ・清掃やゴミの廃棄を行う者は、マスクや手袋の着用を徹底する。 ・作業を終えた後は、手洗いや手指消毒を行う。 ■従事者に関する感染防止策 ・施設の管理・運営に必要な最小限度の人数とするなど、ジョブローテーションを工夫する。 ・マスク(必要に応じてフェイスガード)着用や手洗いを徹底する。 ・ユニフォームや衣服はこまめに洗濯する。 ・自宅で検温を行うこととし、発熱がある場合には自宅待機とする。 ・施設管理者は、従事者の緊急連絡先や勤務状況を把握する。 ・従事者に感染が疑われる場合には、保健所の聞き取りに協力し、必要な情報提供を行う。 ■来館者に関する感染防止策 <上映前の対策> 1.来館者の把握 ・来館前の検温の実施の要請のほか、来館を控えてもらうケースを事前に周知する。 ・導入が検討されている接触確認アプリ等を活用する場合、その旨を事前に周知する。 <上映当日の対策> 1.周知・広報 ・感染予防のため、来館者に対し以下について周知する。 発熱や咳・咽頭痛等の症状のある方、新型コロナウイルス感染症の陽性と判明した者との濃厚接触がある方、同居家族や身近な知人の感染が疑われる方、過去14日以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国・地域等への渡航並びに当該国・地域の在住者との濃厚接触がある方には入場を控えていただく。 咳エチケット、マスク着用、手洗いや手指消毒の推奨 社会的距離の確保の推奨 上映に際しては、スクリーンを活用して来場者に対する感染防止策等の周知・広報を行うことが望ましい。 2.来館者の入場時の対応 以下の場合には、入場の取りやめを要請する。 ・来館前に検温を行い、発熱がある場合 ・咳、咽頭痛などの症状がある場合 ・新型コロナウイルス感染症の陽性と判明した者との濃厚接触がある場合 ・同居家族や身近な知人の感染が疑われる場合 ・過去14日以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国、地域等への渡航並びに当該国・地域の在住者との濃厚接触がある場合 入場時は、混雑しないよう、できるだけ2メートルを目安に(最低1メートル)間隔を空けた整列を促す等の工夫を行う。 3.来館者の感染防止策 ・マスク着用及び定期的な手洗いや手指消毒を奨励する。 ・場内における大声等での会話の制限を要請する。 4.上映中に感染が疑われる者が発生した場合の対応策 ・感染が疑われる者が上映中に発生した場合、速やかに別室へ隔離を行う。 ・対応するスタッフは、マスクや手袋の着用を講じた上で対応する。 ・速やかに保健所へ連絡し、指示を受ける。 5.来館者の退場時の対応 ・退場時は、混雑しないよう、できるだけ2メートルを目安に(最低1メートル)の間隔を空け た退場を促す等の工夫を行う。 <上映後の対策> 1.保健所との関係 ・上映における感染予防対策及び感染の疑いのある者が発生した場合には速やかに連携が図れるよう、所轄の保健所との連絡体制を整える。 取材・文/成田 おり枝

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