井上尚弥 in ラスベガス《7日目》 オンとオフ。スイッチの切り替えのスピードと深さ
いよいよ“モンスター”ラスベガスデビューまで1週間! 滞在1週間となる「チーム井上」第1陣の弟・拓真、従兄の浩樹さんのミニ・インタビューが届いた。普段と変わらぬ井上尚弥の姿、その凄さをお伝えしたい。 イメージをしっかりと抱きながら、一つひとつのメニューに取り組む 写真提供_大橋ボクシングジム
午後からのジムワークをいつもどおり、黙々とこなし続けている尚弥。オフの表情は──。 「部屋にいる感じは、日本で3人でいるときと変わらないですよ」(浩樹さん) 「テレビゲームをしたり、YouTubeで日本のお笑いの動画を観たりしています(笑)」(拓真) 尚弥、拓真、浩樹。トリオだからこそ織り成せる“調和”。小さいころから常に共に歩んできたからこその“あ・うん”の呼吸。
そして、オン、オフのスイッチの切り替えは、井上尚弥を語る上で欠かせない。それは、本誌でも長年お伝えしてきたとおりである。 一般の同世代の若者のように、いまのいままで3人で爆笑トークをしていたかと思ったら、いざジムに向かう段となると一瞬にして周囲の空気までを変えてしまう“変化”を見せたり。また、オフの時間でも瞬時に集中しきってしまう姿を見せてくれることもある。3人でスマートフォンの対戦ゲームに興じたり、自らが掲載された記事を真剣に読んだりする際に。うっかり声をかけてしまい、ものすごく驚かれたこともある。こちらが腰を抜かしてしまいそうになるほどに。それほど“注力”が尋常ではないという証拠だ。
かと思えば前日計量直前に、“変わらぬ姿”を見せてくれる。会場へ向かう尚弥を発見しつつ、声をかけるのを遠慮して素知らぬ顔でいたりすると、「こんにちは! お疲れさまです!」と、尚弥のほうから、にこにこしながら声をかけてきたり。 四六時中、ピリピリしてるボクサーなんていないですよ。笑いながら、そう言われたこともある。「でも、こんな大試合の前じゃないですか!」って、心の中でひっくり返ることばかりである。
スイッチの切り替えのスピードと深さ。これも井上尚弥の強さの一端である。 写真提供_大橋ボクシングジム
ボクシング・マガジン編集部