平均年収が30年以上も変わらない日本の実態。普通の家庭年収400万円はどれくらいか
このままでは失われた「40年」に
1990年代初めのバブル崩壊以来の「失われた30年」とも呼ばれる経済の低迷は続いています。 日本で生まれ育っていると年収400万円は一般的で、目に見えて貧しくなった実感はないかもしれません。 しかし、このまま現状を維持するだけでは年収400万円の価値はますます下がり、失われた40年を迎えても不思議ではない状況が今の日本の実態と言えるでしょう。
年収400万円の暮らしも変化する?!
年収400万円と言っても、独身か既婚かによっても異なりますが、手取り額はざっくり320万円程度となります。これは、税金・年金保険料・健康保険料などの名目で、給与から約20%程度が天引きされているためです。 この普段気に留めていない約20%の天引きですが、少子高齢化や非正規雇用の増加などで社会保障の財源が確保できなくなれば国民負担が増えるのは避けられません。 税率の引き上げ、各種保険料の引き上げなどで給与からの天引きが約25%になれば手取りは300万円に減少する計算になります。 同じ年収400万円でも、手取り額が少なくなれば、生活も厳しくなることが予想されます。いまからでも出来るお金の使い道や、資産を守る方法について、一度真剣に考えておいたほうが良いといえるかもしれませんね。
将来に向け自分で資産を準備するために
ここまでの話しをふまえると、老後の生活も公的年金だけに頼ることは避けたほうがよいと言えるかもしれません。 そのためにも、いまからコツコツと自らの力で備えて行く必要があるでしょう。しかし、貯金するだけでは、資産を増やすことは難しい時代となりました。複利の効果を使ってお金にも「働いてもらう」ことができれば、今から資産を効率よく増やすことができるかもしれません。 少額からの積立て投資を後押しする国の税制優遇制度、「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」の活用を検討してもよいかもしれませんね。 資産運用のポイントの1つは「時間」です。運用期間が長いほど、リスクが軽減しリターンが安定してきます。複利の力を借りて、雪だるま式に資産を増やしていくことにも繋がります。 自らの資産を守るためにも、いまから資産運用のはじめの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。 参考資料 ・OECD主要統計「平均賃金」 ・国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」
吉田 奈都子