ラグビー・セブンズで五輪のメダルを狙う藤田慶和は「世界一速く起きて、世界一速く動く」プレーを極めていく
昨年開催された「ラグビーワールドカップ2019日本大会」。日本代表「ブレイブ・ブロッサムズ」は強豪アイルランド、スコットランドを倒すジャイアントキリングを繰り返し、史上初のベスト8入りという快挙を達成。同時に、アジアで初めて行なわれた大会で最多観客数、最高視聴者数を記録するなど、日本中か熱狂と歓喜の渦に包まれるなか、藤田慶和はひとり悔しさを噛みしめていたに違いない。 【ラグビーセブンズ男子PHOTO】熱き魂のプレーでオリンピックメンバー入りを目指す漢たち 「日本がどんなに勝っても、自分が試合に出られなければ正直、悔しい。現役でいる限りその悔しさがなくなったら、プロの選手ではいられなくなる。自分に足りないものを補い、いいところを徹底的に伸ばして強みをつくっていかなければ!」 藤田は、日本代表選手を多数輩出し続けてきたトップリーグの強豪、パナソニック ワイルドナイツでひたむきに献身的なプレーを続け、武器であるスピードをアップさせてアタックを磨いてきた。 そしてついに、今春、2年半ぶりにセブンズ日本代表に戻ってきた。 セブンズ日本代表を率いるのは、セブンズ・15人制日本代表で活躍し、現在は公益財団法人日本ラグビーフットボール協会の専務理事を務める傍ら、男女セブンズ日本代表総監督兼男子セブンズ日本代表ヘッドコーチを務める岩渕健輔。 「ワールドカップ日本大会は大成功でしたが、それで満足しているわけにはいかない。東京オリンピックで日本ラグビーの先の50年が決まる。そのためにはリオデジャネイロオリンピックの4位以上の成績、絶対にメダルを獲る」 そう決意を語る指揮官が藤田に求めるのは、リオデジャネイロオリンピック、ワールドカップで世界が絶賛した快速ウイングながら、延期されたことでオリンピック挑戦を断念した福岡堅樹(パナソニック ワイルドナイツ)の後継者としてのスピード。また、日本代表から引退した、前回オリンピックの主将・桑水流裕策(コカ・コーラレッドスパークス)に代わるリーダーシップだ。