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米国のような「天運」持たずに生まれた…四方に敵が取り巻く中国の悩み

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中央日報日本語版

◇米国と戦うのに集中しなければならない。ところで君たち… 体も大きく力も強い。あっという間に体を大きくしたが、長くランキング1位を守ってきた敵を相手にするのは容易でない。集中しなければならないが、ところで…。四方で騒がしい。心が乱れる。 米国との戦いに全力を傾けても足りないのに近隣諸国からあらゆる抗議を受けている最近の中国の状況がまさにこうだ。 中国が国境を接している国は実に14カ国だ。世界で最も多い。北ではモンゴルとロシア、東では北朝鮮、西では中央アジアのカザフスタンやキルギスタンなどと向き合っている。南ではインドとネパールをはじめと東南アジア諸国と隣り合っている。規模は大きいが、地政学的に決して良い位置ではない。 米国と比較してみればさらに鮮明になる。米国は地政学的に「天運」を持って生まれたところだ。上にはカナダ、下にはメキシコ。以上! 東側と西側は? 広い大西洋と太平洋が広がっている。南の海上にキューバがあるが国力で比較にならない。豊かさがあふれる土地なのに敵がない局面だ。 一言で整理するとこうだ。 少なくとも国境問題だけは、中国政府の頭の痛いことが米国より多い。それもはるかに。 ◇ここもうちの領土、あそこもうちの領土だ! 先に陸地を見よう。最近中国と最も対立が激しくなったのはインドだ。紛争地はヒマラヤ。 不明確な国境のため数十年間対立を生じさせてきたガルワン渓谷で6月に流血衝突が起きた。死傷者が発生し感情は激しくなり、最新式武器構築対決にまで広がる様相だ。 辺境中の辺境であるこの地を中国はあきらめたくない。いや、あきらめることはできない。この地域が新疆ウイグル自治区とチベットに通じる地政学的要衝だからだ。ウイグルとチベットは独立を夢見る。これを放置できない中国は弾圧政策を広げているが、これは米国にしっかりと弱点としてつかまれた。だからこそ一層逃すことはできない。 それでもインドが与しやすいだろうか。中国に匹敵する約13億8000万人の人口を持つインド、土地も広く経済規模も大きい。さらに核保有国(非公式)だ。また、毎年中国から数百億ドル相当の物品を買い入れる主要顧客だ。 その上最近中国のIT企業はアジア、中でもインドを主要ターゲットとしている。対立が拡大して良いことはない。先ごろインドの裁判所が馬雲アリババ元会長を不当解雇容疑で召還したのがその例だ。 小国とも大小の対立が散在している。 6月に中国軍はネパールの小さな村に侵入し、「ここはチベット領土であり、チベットは中国の領土」と宣言して占領してしまった。中国とインドの間に挟まれ戦々恐々とするネパールがこうした目に遭ったのは初めてではない。 中国は昨年にもチベットに行く道を開けるとしてネパール領土を自国に編入してしまった。怒った市民が習近平中国国家主席の人形を燃やし激しデモを行ったほどだ。 ネパール政府は苦しんでいるがとても話を切り出せない。中国の経済的支援を受けているためだ。だがネパールでますます強まっている反中感情が中国に得なることもない。海上・陸上シルクロードの「一帯一路」は習近平主席が大事にしているプロジェクトだが、ネパールがその途中にあるためだ。 このほかにも中国はミャンマーやブータンなどと領土紛争中だ。南側で国境を接しているほとんどの国と神経戦を行っているといっても過言ではない。 ◇川では水を握り、海もあきらめず 地上を流れる河川に視線を向けてみよう。 東南アジアの「乳腺」と呼ばれるメコン川は中国の高原地帯で始まり、ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムを経て海へと流れる河川だ。 ところが何年か前からベトナム南部をはじめとする東南アジアの穀倉地帯が水不足になり始めた。地面が割れるため農作業をすることはできない。なぜだろうか。地球温暖化のためだろうか? 中国がメコン川上流を握っていることが大きい。中国政府は水資源を最大限に活用するという目標の下にメコン川上流地域に集中的にダムを建設している。一緒に使う水を閉じ込めて一人占めしているため川の下流は干からびるしかない。農民の苦労は到底言葉にできない。メコン川下流にあるベトナムやカンボジアは腹を立てているが抗議は通じない。 水を握った者が権力、中国だからだ。 川は流れて海に行く。中国は南シナ海をめぐり台湾、ベトナム、フィリピン、インドネシアなどと紛争中だ。国際社会は中国に南シナ海領有権はないと判断したが、中国は譲歩するつもりはまったくない。この海が天然ガスと石油埋蔵の可能性が高い上に、世界に通じる貿易路であるためだ。実効支配のため海に人工島を作るほどだ。 最も激しく抗議しているのはベトナムだ。長く伸びたベトナム領土の右側がまさにその海だからだ。ベトナムではたびたび「南シナ海領海侵犯」を糾弾する反中デモが激しく起きている。ベトナムもやはり中国と経済的にますます密接になっているのにだ。 すべての気運を集めてランキング1位に挑戦したい中国。しかし隣では反中感情が大きくなっていく。数年前には「中華民族平和愛好」を叫び「平和の道を歩んでいく」としていた習近平主席は果たして平和に夢をかなえることができるだろうか。 あ、中国にうれしい知らせがひとつあるにはある。最近フィリピンのドゥテルテ大統領が「中国との戦争に耐えることはできない」として一歩後退したのだ。「屈辱的」という批判にも、経済支援など他のものを得るのが良いと判断したとみられる。中国が威張ることはできるが、どうなるにしても「タダ」はでないという話だ。

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