「誰にも知られず、こっそり」強調 民間PCR検査キット、使ってみた
新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、多くの民間企業がPCRビジネスの業界に参入している。ソフトバンクグループは自治体や企業を対象に唾液によるPCR検査を1回2000円で受けられるようにすると発表しているほか、JALは医療機関と連携し、旅行前などにPCR検査を受けることを可能にするプランを販売している。PCR検査の回数券を販売する事業者もある。【BuzzFeed Japan / 千葉 雄登】 そのような中、ある事業者は「誰にも知られず、こっそり!お届け」とうたいPCR検査を販売する。 BuzzFeed Newsは実際にこの民間企業のPCR検査を受け、どのような問題点があるのかを検証した。
「誰にも知られず、こっそり!お届け♪」
ある事業者のウェブサイトへアクセスすると、「誰にも知られず、こっそり!お届け♪」という言葉が目に飛び込んできた。 検査キットを購入する利用者には事前にどの程度説明がなされているのか。そして、検査結果はどのように通知されるのか。今回はこの事業者のPCR検査を用いて検証することを決めた。 利用した事業者はホームページやチラシに「通常の検査では陽性の場合、結果は公的機関への届け出が義務となっていますが、当検査では陽性の場合でも保健所への届け出は必要ありません」と掲載している。 どうやらターゲットとしているのは、誰にも検査を受けたことを知られたくない人のようだ。 その下には「医療機関と同じ検査がご自宅でできます」との説明も。だが、この検査が医療機関と同じ精度であるとは限らない。 商品のページに示されていた「こちらから」というリンクを踏むと、事業者が運営する通信販売のサイトへとつながった。
商品説明の欄には「発熱などの症状がないと保険機関では検査ができないのはご存知でしたか?」の文字。 身の回りに小さな子供やお年寄りがいる▽持病がある▽帰省の予定や海外の渡航予定がある▽接客業のため定期的に検査をしたいーーなどと具体的な状況を例示し、そうした不安を持つ人に「おすすめ」だとして、同社はPCR検査を売り込んでいた。 感染が拡大する中で不安か不安でないか、と聞かれれば「不安だ」と答えてしまう人も少なくないのではないか。巧みな売り文句だと感じた。