廃校を利用した陸上養殖 NTTの子会社が参画/ビジネスキャッチー
ちょうど一年前にこのコーナーで廃校を利用して高級魚「アカジンミーバイ」の陸上養殖に取り組む会社を紹介しました。 一年経ってアカジンミーバイも順調に育っているようですが、このほどNTTのグループ会社が新しい会社を設立して事業に加わり情報通信技術を使って「誰もが参加できる陸上養殖」を実現しようと新たな取り組みを始めていました。 高級魚アカジンミーバイの陸上養殖に取り組む紅仁株式会社と連携するのが新しく設立されたNTTアクア。この2社は去年9月からそれぞれの持つ技術を持ち寄って短期間で手間をかけずに高級魚の陸上養殖に取り組めるシステムの研究を続け一定の成果が出たという事です。 大宜味村の小学校廃校跡地に建設された施設の中の水槽には水質や水温を魚に応じた快適な環境に整え装置の故障を把握できる機器が置かれその状況は施設にいなくても別の場所で確認する事が可能です。 NTTアクアのICT技術でどんな環境が魚の生育にとって一番良いのかノウハウが蓄積されました。さらに紅仁が持っている独自の海水ろ過システムが合わさることで、「誰もが参加できる陸上養殖」の実現に近づけたという事です。 NTTアクア山本圭一社長は「我々が提供する魚種は比較的高単価の魚種で短期間で出荷が出来れば収益貢献が出来ると思っています。今まで陸上養殖をやったことがない経験がないとかノウハウを持っていないという方でもICTを活用して遠隔サポートすることで参入のハードルがかなり下がるんじゃないかと思います」と期待を寄せています。 さて、2社が協業することで「誰もが参加できる陸上養殖」に挑戦しているわけですが、もう一度見ていきましょう。高級魚・アカジンミーバイの養殖に取り組んでいた紅仁社は独自の方法で海水をろ過する技術を持っていて、従来の技術と比べて「狭い場所での陸上養殖が可能な事」「メンテナンスが容易な事」「一つの水槽の中でより多くの魚を育てる事が出来ます。」 そしてNTTアクアは自社が持つICT情報通信技術を使って、「養殖場所とは離れた所でセンサーで得た水質や水温を確認出来る。」「異常があった場合、遠隔地からリアルタイムで養殖事業者のサポートが出来る。」「養殖のノウハウを活用出来る。」ようになりました。 会社設立後、既に全国各地から視察をしたいなど問い合わせがきているそうで、今後はさらに研究を進めていって地域の活性化や食料自給率アップに貢献したいという事です。楽しみです。