【闘病】記憶力、注意力が低下。「高次脳機能障害」とリハビリ生活
突然の交通事故により、高次脳機能障害を患うことになった河野祐介さん。高次脳機能障害は記憶力・注意力などの低下、そのほかにも人によってさまざま症状が現れますが、外見からは障がいがわかりにくいため、「見えない障がい」と表現されることがあります。 【イラスト解説】脳の異常「パーキンソン病」の前兆となる初期症状 「見えない障がいだからこそ、誤解や偏見に苦しむ当事者も少なくありません。みなさんに高次脳機能障害を知っていただけることで、当事者にとっても住みやすく生きやすい社会が広がるのだと思います」と河野さんは言います。 そう思うに至った体験談を聞かせてもらいました。
突然の事故で高次脳機能障害に
編集部: 高次脳機能障害と診断されたときの経緯について教えてください。 河野さん: 大学病院に入院しているときに診断を受けました。母から、私は事故に遭ってここにいることを説明されましたが、少しも実感は湧きませんでした。 当時、事故前後の記憶はなく、警察の調書と医師・家族の説明でそのことをあらためて知ることになりましたね。 編集部: 高次脳機能障害とはどのような病気なのでしょうか? 河野さん: けがなどで脳の損傷によって起こる病気で、記憶力、注意力が低下したり、感情の調整が難しかったり、人によってさまざまな症状を伴います。 編集部: 高次脳機能障害と聞いたときどう思いましたか? 河野さん: 病院のソーシャルワーカーに「高次脳機能障害の説明をするので」と言われましたが、「私はそんな病気ではない」「間違ってるんじゃないですか?」と少しも認めず、馬鹿げたことを言っていると思っていましたね。 障がいを受け入れられず、感情が乱れて抗ったのかもしれません。 編集部: 初めは受け入れられなかったのですね。病院ではどのような検査をしましたか? 河野さん: 医師、研修医の方が毎日病室に来て、「今日は何年・何月・何日ですか?」「何曜日ですか?」といろいろな質問をしていました。簡単な質問でしたが、あまり正確に答えられずにいました。 ほとんどが経過観察だったのかも知れません。高次脳機能障害に関しては、言語聴覚士の方にいろいろな検査をしてもらいました。大学病院、リハビリ専門病院、今、通院している高次脳機能障害専門病院の言語聴覚士さんに何度も検査をしてもらっています。 編集部: 治療はどのように進めて行くと医師から説明がありましたか? 河野さん: 特に私にはなかったように思います。母や私の家族には説明があったかもわかりませんが。