阪神、勝利方程式崩壊で、第6の外国人ドリスの緊急昇格案が浮上!
阪神の勝利の方程式が崩壊した。16日の中日戦では、セットアッパーの福原忍(39)が打たれ、ストッパーのマルカス・マテオ(31)が制球に苦しんで、逆転サヨナラ負け、17日の中日戦でも、土壇場で2-2に追いつきながら、またしても福原がビシエドにライトポールを直撃する6号2ランを浴びて、2試合連続のサヨナラ負けを喫した。 この日も、9回から左腕の高宮和也(34)を回跨ぎ登板させるなど、中継ぎを必至にやりくりしたが、肝心の福原が勝てるゲームを2つ落とす原因を作った。39歳の福原は、これが今季8試合目の登板。1球、1球タイミングを外す熟練の技を駆使するが、球威不足は明らかで、ブルペンが脆弱だ。 試合後、金本監督は、福原の今後の起用法を聞かれて「変わるかも知れない。配置転換」と、ブルペンを強化する方針を明らかにした。だが、福原の代役は?といえば、さっと名前が挙がってこない。 そこで新セットアッパーとして急浮上しているのが、第6の外国人として獲得し、現在、ファームで石崎と共にストッパーの役割を果たしているラファエル・ドリス(28)の緊急昇格案だ。 和田監督時代には、外国人の1、2軍入れ替えはタブーのような空気があったが、金本監督の決断力と実行力にはスピード感があり、タブーは存在しない。 ただ、阪神の場合、すでにランディ・メッセンジャー(34)、マウロ・ゴメス(31)、新外国人のマット・ヘイグ(30)、マテオと4人の外国人が1軍登録されているため、外国人枠の問題で、ドリスを1軍に上げてブルペンスタンバイさせるためには、1軍の4人うち一人を落とさねばならない。中継ぎ、抑えの充実が目的のためマテオは外せず、ドリスの昇格を決断する場合、おそらく体調不良を訴えていたヘイグを落とすだろう、と思われる。 ヘイグの抜けた後のサードのポジションなら、この日、3年ぶりにマスクをかぶったスーパーユーティリティプレーヤーの今成亮太(28)、陽川尚将(24)、北條史也(21)らで埋めることができる。 ドリスは、ここまでファームで7試合にセットアッパー、ストッパーとして登板、1勝1セーブ。11回の3分の1を投げて、2失点、9奪三振、防御率、1.59の成績を誇る。マテオは、スライダーを武器にストライクゾーンを横に使うタイプだが、ドリスは、フォーク、チェンジアップなど縦に変化するボールを駆使してストライクゾーンの高低で勝負するタイプ。ストレートは、最速は150キロを超える。コントロールに関しては、マテオよりもいいため、沖縄キャンプ中には、首脳陣の間からは「マテオよりドリスの方が使えるかもしれない」とまで評価されていた。 マテオと同じくドミニカ出身で、2012年にはカブスで34試合メジャー登板。翌年は、藤川球児とチームメイトとなり日本野球についての興味を抱く。昨年はメジャー昇格はなく、タイガース傘下のマイナーで43試合に登板して7勝5敗、防御率4.61の成績。阪神では、マテオに何かがあった場合の“控え”“第6の外国人”としての位置づけで獲得していた。 ドリスが新セットアッパーとして結果を残せば、昨年、セ・リーグを制覇したヤクルトのオンドルセクーバーネットの外国人の2人並みに頼れるドリスーマテオの新勝利の方程式を確立できるかもしれない。