「無理して働く→体を壊す→金欠になる」年収250万円の会社員が貧乏ループを脱出した起死回生の一手
お金を貯めるには、どうすればいいのか。YouTuberのミニマリストTakeru氏は「家計を健全化するには、モノを買わないことだ。まずは何かを“減らすこと”に目を向けるといい」という――。 【写真】ミニマリストTakeru氏の著書『貯まらない生活はもうやめよう モノを手放すだけで増える「お金と幸せの法則」』(KADOKAWA) ※本稿は、ミニマリストTakeru『貯まらない生活はもうやめよう モノを手放すだけで増える「お金と幸せの法則」』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。 ■お金を稼ぐ努力で金欠になる悪循環 20代前半、私は会社員として3社を経験しました。仕事の主な内容は学習塾の営業で、時折、小学生と中学生に学習指導もして、月収は約20万円。年収は250万円ほどでした。将来は自分の会社を立ち上げたいと意気込んでいた私にとって、すべてが大事な仕事だと張り切って臨みました。 しかし、営業という仕事は結果がすべて。結果を出すために労働時間も長くなりがちで、毎日が疲労困憊(こんぱい)。断られることが当たり前の世界なので、心もすり減っていきました。もともと難病持ちだった私は体調をよく崩し、数カ月に1度は病院に通って、点滴や検査をしている状態でした。 しかも、自炊をする余裕はなく、寝る時間がとにかく欲しい。食事はスーパーの惣菜やコンビニ弁当、外食が続き、お金はあっという間に消えていきます。そこに加えて病院代も増えていく。 お金を貯めながら健康的な生活を送るなんて、夢のまた夢でした。家計管理も節約もする余裕はなく、毎日のように長時間働いて、簡単に食事を済ませて、寝て起きたらすぐに仕事。すべてはお金のために、感情を無にして、思考停止状態で仕事をせざるを得ませんでした。私は、社会の厳しさと仕事の難しさを痛感しました。学生時代とはまるで違う。お金を稼ぐこと、お金を貯めることは、こんなにも難しいことなのかと。
■転職しても生活の苦しさは変わらなかった ある時、どうせ仕事は大変なのだからと、給料アップを目指して同業種に2度転職をするも、半年も経たずに退職。貯金を切り崩す生活になり、結局貯金はゼロに。毎日毎日お金のことを気にして、お金のことで頭がいっぱいになりました。そんな20代前半を私は過ごしました。 私がこの経験から学んだのは、仕事はもちろん、お金の知識やスキルを適切に身につけないと、結局は同じ失敗を繰り返すだけになってしまうということです。 毎回同じことの繰り返しで、働いて、お金を使って、退職をして、お金がまったく貯まりません。つまり、仕事とお金に振り回される人生になってしまうのです。お金がなくて疲労困憊だった私は、ウキウキした気分で朝を迎えることができません。毎日が憂鬱(ゆううつ)でした。完全に意気消沈。仮病を使ったりサボったりする日もありました。だから、よく自己啓発書やビジネス書を読み、自分を奮い立たせようと試みるのですが、「心から好きなことをしなさい」とか「頑張らないで生きなさい」とか、逆に「死ぬほど頑張れ」とか、いろんな言葉に触れたけど、当時の私にはほとんど響きません。 好きなことはしたいけど、生活することが最優先だし。頑張らなかったら、お金がなくなって、より生活が苦しくなってしまう。今も必死に働いているのに、これ以上頑張ったらもっとしんどい……。そんな心境だったのです。 「いったい、僕はどうしたらいいんだ!」と毎日のように思えど、その答えは見つからないままだったのです。だから、この先もしばらく苦しむことになります。若いうちは好きなことをなかなか仕事にできないし、貧乏も経験するし、死にそうなくらい働かないといけないし、その反動でまったく働かない時期もあるし、お金はなかなか貯まらないし、何かを変えるだけの余裕もない。もしかしたら、人生はそういうものなのかもしれません……。 ■行き詰まったら、まず「減らす」 あなたも今、あれこれ学んで考えても答えが見つからず、身動きが取れなくなって悩んでいませんか? 私がただ1つだけ、あの頃の自分にアドバイスをするとしたら、「何を始めるにしても、まず最初に“減らすこと”を考えて」と伝えます。 多くの人が身動きが取れないのは、多くを抱えすぎているからです。あなたはさらに、新しいことを付け加えようとしていませんか? だから、キャパオーバーで何もできなくなるのです。何かを減らさなければ、あなたには動き出せるだけの体力や気力、発想力も残っていません。だから、何かを減らすことを考えましょう。減らすことで、余裕が出てくるのです。 たとえお金に余裕がなくても、時間や心に余裕が出てくれば、何かを変えようと思えるはずです。人生を変えられる人間がいるとすれば、それは余裕のある人間です。もっと言えば、何かを手放せる人間だと私は思います。仕事でも、家事でも、人間関係でも、無駄遣いでも、モノでも、行動習慣でも構いません。「余裕」を生み出すために、何かしらを手放しましょう。何を始めるにしても、一番最初に「減らすこと」からスタートするのです。