イニエスタの言葉で変わった神戸のMF古橋亨梧が森保Jにサプライズ初招集!
イニエスタの存在に感謝しながら、勇気を自信に変えた古橋は、昨シーズンの後半戦だけでチーム最多タイの5ゴールをあげる。初体験のステージを無我夢中で突っ走っていた昨秋に、将来へ向けて描いていた夢を語ったことがある。 「常に勝たなければいけない、というプレッシャーを神戸ではよりいっそう感じていますし、その先には日本代表、そして海外という夢がある。同年代の選手が代表で活躍して、ゴールも決めている。僕にもチャンスはあると思っているので」 図らずも口にした「同年代の選手」とは、誕生日がわずか4日違いの南野拓実(ザルツブルク)を指している。昨年9月に船出した森保ジャパンのトップ下として、南野は初陣となったコスタリカ代表戦から3試合連続で計4ゴールをあげていた。刺激を受けないはずがない。 今シーズンからはイニエスタに続いて、スペイン代表で歴代最多の59ゴールをあげているダビド・ビジャも加入。ストライカーのお手本となる名手も間近でプレーする環境で、目標に掲げる2桁に迫る9ゴールをマークした古橋は、フル代表へと通じる扉をついに自分の力でこじ開けた。 「いま現在と未来の両方を見て、バランスを考えながら選手を招集した。ベネズエラ戦で個の、そしてチームのレベルアップができれば、日本サッカー界の全体的な底上げにもつながっていく」 森保監督は会見の席で、11月シリーズをこう位置づけた。公式戦となるキルギス戦の招集メンバーが「いま現在」ならば、交代枠が6に増えるベネズエラ戦のそれは「未来」となる。基本布陣の[4-2-3-1]なら左右のサイドハーフのどちらかで、最終ラインを3バックに変えた[3-4-2-1]ならばダブルシャドーの一角で、古橋にも吹田のピッチに立つチャンスが確実にめぐってくるはずだ。 「感謝の気持ちを忘れずに選ばれた誇りをもって、日本のために試合に出て、結果を出すため、そしてチームのために走り回って、勝利に貢献できるように頑張りたい」 ヴィッセルを通じて、古橋ははやる気持ちを抑えきれないかのようなコメントを発表している。敵地ビシュケクでキルギスと対峙する、フル代表の盟友となる選手たちをテレビ越しに応援してから2日後の16日に、ベネズエラ戦へ向けて始動する森保ジャパンへ、胸の鼓動を高鳴らせながら参戦する。 (文責・藤江直人/スポーツライター)