イスラエル北部国境で響く砲撃やマシンガンの音、継続危うい停戦…「戦闘がいつ本格再開されるか分からない」
【マナラ(イスラエル北部国境沿い)=福島利之】イスラエルとイスラム教シーア派組織ヒズボラの停戦の発効を受け、ヒズボラが拠点とするレバノンと国境を接するイスラエル北部のキブツ(農業共同体)・マナラに28日、記者が入った。数百メートル先のレバノン側の集落からは、イスラエル軍によるとみられる砲撃音が響き、停戦の継続が危ういことをうかがわせた。
多くの建物はヒズボラの対戦車砲の攻撃の痕跡を残していた。黒焦げの住宅は壁に穴が開いていた。レバノン側の集落ミセル・ジャベルからは「ドーン」という戦車の砲撃音や「タタタタ……」というマシンガンを撃つ音が断続的に聞こえた。
イスラエルは28日、ヒズボラ側に停戦合意違反があったとしてレバノン南部で攻撃を行ったと発表した。住民約280人が避難する中、緊急対応でマナラに残るシャミア・ナオールさん(51)は「戦闘がいつ本格的に再開されるか分からない」と厳しい表情で語った。