「美の基準はひとつじゃない」私がヌード写真を撮り続ける理由
ヌードを撮影した『脱いでみた。』や起き抜けの姿を撮った『寝起き女子』など女の子のナチュラルな姿からそれぞれの魅力をを切り取るフォトグラファー花盛友里さん。個性が尊重される時代になっているはずなのに、美の基準が、SNSなどに支配されている人が多い今、あらためて一人一人の魅力の見つけ方を教えてもらいました。 【写真】フォトグラファー花盛友里さんの作品集 PROFILE:花盛友里さん 1983年、大阪府生まれ。中学時代から写真の楽しさに目覚め、2009年よりフリーランスとして活動開始。女性誌や音楽誌、広告などで主にポートレートの撮影を手がける。
ヌード写真を撮りはじめたきっかけは?
始まりは、「女の子を下着姿で、映画館やスーパーなど東京の色々な場所で撮ったら可愛いかも」という軽い気持ちでした。その当時私は妊娠中だったこともあり、当時撮影していた作品も保守的になっていて。そんな自分の現状を変えたいという気持ちもあったと思います。
たくさんの女性のヌード写真を撮影して感じたことはありますか?
撮影をお願いしていたとってもかわいくて魅力的なモデルさんでも、「お尻の線がイヤだ」「乳首がへこんでいることが恥ずかしい…」などコンプレックスをたくさん抱えていることを知ったんです。 でも彼女たちがコンプレックスと感じている部分は私から見たら、とてもかわいい、チャームポイントなんですよね。本当は“かわいいの基準”ってたくさんあっていいはずなのに、今はSNSやメディアなどでの加工の影響で、かわいいの価値観が加工された姿に支配されていると感じました。
ヌード写真を撮り続ける理由は?
『脱いでみた。』は、女の子の本当にそのままの姿である裸でないと意味がないと思っています。洋服を着て、メイクをしたポートレイトなら誰でも撮れますから。女の子がヌードで、自然体でいる姿に強いガールズパワーを感じるんです。男性目線で消費されない、女の子の本当のヌードをリタッチ(画像修正)無しで撮影をすることにこだわっていますね。 今は撮影に参加してくれる女の子をInstagramで募集しています。参加してくれる子は最初は緊張しているけれど、普段の生活や世間話をしながら撮影していくとリラックスしてくれます。いつもは気にしてしまうコンプレックスがあっても、モデルになってくれる子は自分の写った写真を見て「かわいい!」と言ってくれるんですよ。 写真はその人の一番いい姿をピックアップできるからこそ、人を変えられる力がある。撮影が終わったあとに「かわいく撮ってもらってうれしかったです! 自分じゃないみたいでした!」とお手紙をくれる子もいて。彼女たちがうれしそうに喜んでくれる姿がなによりもモチベーションになっています。