新型コロナで大打撃・航空業界を目指す学生たち 採用縮小続出に落胆も 明るい兆しが…
新型コロナの影響を大きく受けた航空業界。徐々に便数は回復しているものの、いまだ需要低迷は続き、業績悪化で採用縮小を決める企業も出てきています。航空業界を志望し、これまで勉強を続けてきた学生たちからは落胆の声も聞こえる中、一方では“明るい兆し”も…。
岐阜県関市にある「中日本航空専門学校」。3年制の専門学校で、毎年、全国各地から航空業界を志望する学生が300人ほど入学しています。その半数以上がめざすのが「航空整備士」。機体が安全に飛行できるかどうか、常に航空機をチェックする仕事です。 その航空整備士を目指す一人、愛知県名古屋市出身の横井賢太郎さん(20)。高校時代から航空整備士に憧れ、2019年に入学。現在は実家を離れ、寮で暮らしています。来年の国家試験に備え、覚えることは山積みだといいます。 「これ一冊、全部覚えて。この内容に関する国家試験が来年7月にあるので、それに向けて勉強しなきゃいけない」(横井賢太郎さん) そんな中、耳にしたのは航空業界の現状です。 「ショックでしたね。ニュースだったり、学校からも、この就職の採用がなくなったとか、まだ採用が未定という情報を聞いて、この先どうなるんだろうという不安が大きかった」(横井さん)
先日開かれた中部国際空港の決算会見でも、中間期としては2005年の開港以来、初めての赤字となったことが明らかになりました。 「収入の減収規模がはるかに大きく、中間期としては開港以来、最大の損失を計上し、極めて厳しい結果となっております」(中部国際空港 犬塚力 社長) 新型コロナ感染拡大の影響で、旅客数が約9割減ったことや、免税店の売り上げも130億円以上減少したことが主な要因だといいます。 現在、去年開設したLCC専用の第二ターミナルは、運航していたエアラインの路線が次々と縮小され、利用客はほとんどいない状態に。
そんな中、横井さん自身も就職活動に早くも影響が…。 「自分が目指していた会社の求人が、今年も採用しないという連絡がきたので」(横井さん) 横井さんが目指すのは、航空会社大手の全日空。ところが、来年度の採用を例年の約3000人から200人程度に縮小することを発表。さらに、再来年度の新卒採用の人数も大幅に縮小することを明らかにしました。 長年、就職活動を見守り続けてきた中日本航空専門学校の教員は「こんなに厳しい年は今まではなかったので、学校としても初めての経験になると思う」と話します。
新型コロナにより影響が広がる就職活動。こうした中、学生たちにとって“明るい兆し”も。 この日、学校で行われたリモートの企業説明会では、貨物を取り扱う企業が参加しました。貨物の航空会社は、例年通り採用を続けるところもあり、旅客便に比べると貨物便への影響は少ないといいます。 「今まで(貨物は)あんまり考えていなかったんですけど、話を聞いて、おもしろそうだなと思って、これから自分でもうちょっと調べて、自分が行きたいと思う会社を探していきたい」(横井さん) 新型コロナの影響を受ける航空業界。学生たちは未来に飛び立てるのでしょうか。