SDGs「三方良し、地域活用」、事例発表や講演 三重県セミナーに61社80人
【津】三重県は11日、県庁講堂で「県SDGs推進セミナー」(百五銀行と東京海上日動火災共催)を開いた。専門家の講演や県SDGs推進パートナー登録企業の事例紹介などがあり、61社から約80人が参加した。 令和3年11月に3者が締結した連携協定に基づく取り組みで、県内のSDGs推進の広がりと質の向上を図ろうと同四年から開き3回目。 講演ではコンサルタント会社未来会議=名古屋市=代表で中小企業診断士の細谷宏氏が「中小企業の競争力強化とSDGs」と題して、愛知や岐阜の9社が取り組むSDGsの具体例を挙げ「皆得意なこと、やりたいことをやっている。リーダーの強い個性が差別化された取り組みにつながっている」などと話した。 事例発表では県内3社の代表が登壇。建設業の尾鍋組=松阪市飯高町=の尾鍋哲也代表は三重大と共同研究し環境負荷が大いに軽減した地盤改良技術を紹介し「三方良しで社会にも役立つことであれば自然とSDGsに合致していくのでは」と述べた。 製材業の三栄林産=亀山市加太=の坂成哉社長は地域材の活用を軸に加太地区で展開する構想に触れ「まずは関係人口を増やすことが田舎を衰退させない一つ。魅力ある場所がうまく活用できていないので発信や実践をしている」とした。 製造業の万協製薬=多気町=の松浦信男社長は阪神淡路大震災で被災後多気町で3人から再操業し、現在10部門千人を超える規模に成長しているとして「自分の存在、自分の会社こそがSDGs。皆さんも自分がどう世の中を良くできるかを考えることがSDGs」と呼びかけた。