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中日・与田監督の迷采配“代打・三ツ間事件”を教訓に…緊急事態で“打てる投手”の実名

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デイリー新潮

 7月7日の中日対ヤクルト戦で起こった“代打・三ツ間事件”。中日・与田剛監督が延長10回でベンチ入り野手を使い切ってしまい、サヨナラ勝ちのチャンスで代打に中継ぎ投手の三ツ間卓也を起用して、勝機を逃した中日・与田剛監督にはファンのみならず、評論家からも厳しい声が上がっている。しかし、思わぬミスで選手起用を誤ることや、怪我などの不測の事態で野手が足りなくなることは今後どの球団にも起こりうることとも言えるだろう。そこで今回はそのような“緊急事態”に代打として起用をおすすめした投手をアマチュア時代の活躍もまじえながら紹介したい。

 今回の“事件”の当事者である中日では、まず藤嶋健人を推したい。東邦高時代は1年夏から甲子園に出場して話題となり、2年秋には4番、ピッチャーとして東海大会に優勝。その後に行われた明治神宮大会では初戦の秀岳館戦で2打席連続のツーランホームランを放ってチームの全得点を叩き出し、投げても2失点完投という離れ業を演じている。  3度出場した甲子園でも7試合で5割近い打率を残し、3年夏にはセンター右へ一発も放った。少しグリップを低い位置で構えるが、抜群のリストの強さで広角に長打を放つバッティングは井口資仁監督(ロッテ)の現役時代を彷彿とさせるものがあった。  もう一人候補としたいのが、柳裕也だ。横浜高校時代には3年春に出場した選抜高校野球で現在チームメイトである岡野祐一郎からもホームランを放つなど、当時から打撃センスには定評があった。東京六大学野球での通算打率も2割を超えており、4年秋に出場した明治神宮大会でもホームランを放っている。プロ入り後もその打棒は健在で、昨年も投手でリーグ2位タイとなる8安打をマークした。  先発投手で打撃自慢が揃うのが阪神だ。開幕戦では西勇輝が巨人のエース菅野智之からホームランを放って話題となったが、西は昨年もリーグトップの9安打を放っている。プロ入りから10年間はパ・リーグでプレーしていたにもかかわらずこれだけの打力を備えているのは見事という他ない。阪神では秋山拓巳も打力自慢だ。西条高時代には130メートルを超える特大ホームランを放ち、“伊予のゴジラ”の異名をとるなど打者として高い評価を受ける存在だった。2017年にはナゴヤドームのライト中段へプロ第1号を叩き込み、翌年にもレフト方向へのホームランも放っている。長打力は野手顔向けと言えるだろう。また一昨年に満塁ホームランを放っている藤浪晋太郎も芯でとらえた時の打球は迫力十分だ。  巨人では先日、戸根千明が二刀流に挑戦することが発表された。プロではリリーフのため打席に立つ機会がなく、大学でも指名打者のある東都大学リーグに所属していたが、高校時代は通算39本塁打を放っている。練習やファン感謝デーでの打撃は一部ファンの間でも話題となっていた。今後代打の機会も十分に考えられるだろう。  人でもう一人、アマチュア時代に打撃が光っていたのが同じリリーフ左腕の高木京介だ。星稜高時代は下級生の頃から中軸を任され、長打力は本家には及ばないものの“ゴジラ二世”とも言われていた。エースで4番として出場した3年夏の甲子園では初戦で敗れたものの、4打数4安打と見事なバッティングを見せた。緊急時には戸根とともにバットでも期待できるだろう。  ヤクルトでは原樹理の打力の高さがよく知られている。過去4年間で打率2割を超えたシーズンが2度あり、昨年は12試合の出場ながら.273という高打率を残した。今年も先発した試合は打撃にも注目だ。  ベテランの石川雅規も長打力はないもののミートの上手さが目立つが、若手では寺島成輝を推したい。履正社では4番を任されており、3年夏の大阪府大会では6割を超える打率をマーク。甲子園大会後に行われたU18アジア選手権では、投げない試合も打者として活躍している。今年はリリーフとして一軍に定着しているが、打席に入る姿も見たい選手である。  広島ではルーキーの森下暢仁、DeNAでは桜井周斗、飯塚悟史なども打撃の良い選手である。また投手が打席に入らないパ・リーグでも、アマチュア時代に打者として鳴らした選手は当然存在している。松坂大輔(西武)などはその代表格だが、現在リーグナンバーワン投手ともいえる山本由伸(オリックス)も高校時代は4番を任されており、打撃と走塁も高レベルだった。  また大物ルーキーの佐々木朗希(ロッテ)も高校では1番や4番を打ち、長打力も光るものがある。今年は残念ながら中止となったが、来年以降の交流戦での打撃は見ものだ。  次に先日のような緊急事態が発生した時は、誰が代打として起用されるのかについても是非注目してもらいたい。 西尾典文(にしお・のりふみ) 野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。 週刊新潮WEB取材班編集 2020年8月3日 掲載

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