5番アイアンって本当に不要!? いまどきのアイアンセッティングについてフィッターと考えてみた!
ツアーに出ている女子プロたちも5番アイアンを入れている選手はそう多くない。アマチュアも、もはや5番アイアンは不要なのか? ギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人の考えを聞いてみた。
コントロール性能はやっぱり高い
クラブフィッター小倉です。今回は、アイアンのセッティングについてです。皆さんのキャディバッグには、アイアンは何番まで入っていますでしょうか。私がお店で対応したお客様のバッグを見ている限りですが、6番からという構成が多く、5番アイアンをバッグに入れている方は、かなり減ってきていると感じています。 そもそも飛距離を重視した飛び系アイアンでは、6番からのセット販売というモデルも増えてきていて、5番自体を持っていないケースも多くなりましたね。5番までのセットのアイアンを購入した場合でも5番を抜いてUTを入れるというゴルファーが増えました。よりストレスなくシンプルにプレーするといったスタイルであれば、私もこのセッティングに賛成です。 昨今のアイアンは、ある程度飛距離性能を重視した設計のモデルが多いです。飛距離性能を重視するとスピンを抑える必要があるため、長い番手のアイアンのキャリーが出にくくなり、番手間の飛距離差を維持するのが難しくなります。それであれば、同じぐらいの飛距離が出せて、より高い弾道が打てるUTを使用したほうが得策でしょう。 ツアーで戦う女子プロにもアイアンは7番アイアンからなんて選手もいます。もしかしたら近い将来、アマチュアのセッティングの主流は、最も長いアイアンの番手は7番アイアンくらいになるかもしれませんね。 ここまでですと、もはやロングアイアンは不要といった話の流れですが、ボールをコントロールしたいゴルファーにとっては、まだまだロングアイアンは現役だと思います。ある程度のキャリーを出せるパワーも必要になりますが、UTと比べ、操作性が高い。特に高さのコントロールはロングアイアンよりUTのほうが難しくなります。 私は5番アイアンまでバッグに入れていますが、5番をフルショットで使用する頻度はあまり高くありません。ちょうどフルショットなどの距離の場合でも、UTやショートウッドと悩むことが多いですね。5番アイアンが最も使用するシチュエーションは、低い弾道が必要になった時です。林からの脱出や、枝などによる高い弾道が打てない時などに活躍してくれます。 最近のクラブ、特にアイアンは飛距離を重視するために高弾道低スピンになるよう設計されています。そういったクラブは、ボール位置などでロフトを立ててインパクトしてもボールが上がりやすいように設計されているため、弾道を低く抑えるのが難しいです。 クラブ本数が14本であれば難しいですが、もし余裕があるなら、5番アイアンを入れてみてはいかがでしょうか。飛び系アイアンでもロフトが立っているため、比較的低い弾道は打ちやすいので林の脱出などに便利です。なにより長い番手のアイアンがバッグに入っているとちょっと玄人感が演出できると思いますよ(笑)。
小倉勇人