俳優・伊原剛志は事業売却で「何もしなくても死ぬまで暮らしていけるようになった」
ツイッターでの発言をバッシングされたが…
NHK朝の連続テレビ小説「ふたりっ子」や「花子とアン」、大河ドラマ「新選組!」など多くのドラマや映画で活躍してきた俳優・伊原剛志さん(57)。ところが、2019年末に大手芸能事務所を突然、退社し独立。ニュースに驚いたファンも多かっただろう。伊原さんに何があったのか。東京・渋谷の某会社の会議室で伊原さんに詳しい話を聞いた。 【動画】伊原剛志がYouTubeで真摯に語る実際の姿 前の事務所には15年以上お世話になりましたけど、僕は小さい頃からずーっと自由を求めてきて、もっと自由になりたくなったんです。事務所という組織に所属していると、僕の言動で、組織や、所属するほかの役者さんらに迷惑をかけることもある。迷惑をかけたくはない。でも、自由に発言したいし、やりたいことをやりたい。それによる全責任は自分でもうとれるから。そういう思いが強くなって、19年の7~9月にブラジルのアクション映画「プリンセス・オブ・ヤクザ」の撮影でブラジルに行ったときにじっくり考えて、帰国後に事務所とよく話し合い、気持ちよく「がんばれよ」と送り出してもらいました。 迷惑というのは、たとえば、独立した後の20年4月に僕がツイッターで「飲食店に営業自粛要請するなら補償をもっと手厚く」というような発信をしたら、ネットニュースで取り上げられてえらいバッシングされたでしょ。僕自身は気にならないですけど、事務所に所属していたら事務所全体の意見かと世間に誤解を与えて、事務所に迷惑をかけてしまう。僕は日本と海外をよく往復して米国とかの補償はもっと手厚いことを知っていたから、僕自身の意見として発信したかっただけなのに。
事業売却で「何もしなくても死ぬまで暮らしていける」!!
「もっと自由に好きなことをやりたい」という思いが強くなったのは、経営していた会社を2年前に東証一部上場企業の「株式会社ホットランド」に売却したことがきっかけかな。会社は、役者の仕事をお金のためにやりたくない、お金はビジネスで稼ごうと、28歳のときにお好み焼き屋を始め、その後、フランチャイズ化していたんです。全部で17店舗経営していたんですけど、もう27、28年やったのでいいかな、と。幸い良い売却ができ、これからはたとえ何もしなくても死ぬまで暮らしていけるようになったので、「好きなことを自由にやりたい!」と思えたんです。 子どもたちが成長したことも、「もっと自由に」と思ったきっかけ。長男は27歳で会社員、24歳の次男は20年の春に建築事務所に就職しました。18歳の三男はまだ、米国デューク大学1年生でサッカーをやっていますけど、息子3人が全員米国留学していたときは、学費だけでかなりかかっていましたから、それに比べれば楽になったんです(笑)。息子たちには自由に生きてる“オヤジの背中”を見せて「生きることって楽しいんだな」って教えてあげたい。でも、三男も大学出たら起業しそうだし、息子は誰も役者にならなかった。子どもたちには「やりたいことをやれ」と言ってきたから、僕を見てて「役者は大変そう」と思ったのかな(笑)。