【ジャパンC】チェルヴィニア動き絶品!Wコース3頭併せラスト11秒7で楽々併入 ルメール騎手「春より強くなりましたね」
ジャパンCの追い切りが20日、東西のトレセンと東京競馬場で行われた。美浦ではチェルヴィニアがWコース3頭併せで上々の伸び脚を披露。中間は長めからの追い切りを重ねてさらなる上積みを図っており、調教評価は『S』だ。2冠牝馬が史上3頭目の3歳牝馬Vへ突き進む。 ◇ 冬の到来を告げる寒さとなった美浦を、若き女王が熱くした。2冠牝馬のチェルヴィニアが絶品の動きを披露。見守った木村調教師は合格点を与えた。 「本番を想定して道中の折り合いや、騎乗者の指示に従って素直に動けるかがテーマでした。結果的にその通りにできたと思っています」 美浦Wコースで前と後ろに僚馬を置き、抜群の手応えのまま直線へ。外ベランジェール(1勝)、内ウンブライル(OP)に挟み込まれる形になったが、タイトな隙間を縫って大きなストライドで末脚を伸ばした。馬なりのまま6ハロン83秒8―11秒7をマークし、2頭に楽々と併入した。 この秋はさらなる進化を求め、調整過程に工夫を凝らしている。Wコースで10日に8ハロン111秒2―12秒3をマークしたかと思えば、その3日後にも8ハロンから111秒0―11秒7をマーク。太田助手は「本質的にビュッと切れるタイプではないので、持続力のある脚を生かすように」と意図を説明する。ラストに速いタイムを出すよりも、全体時計を速めた調教を積んで長所をさらに伸ばすことを意識してきた。総仕上げとなったこの日も文句なしの動きで、サンスポ調教評価は最上の『S』となった。 桜花賞こそ13着と崩れたが、圧巻の末脚で秋華賞、オークスを連勝。ルメール騎手は「乗りやすい馬。道中で余分なエネルギーを使わないので、最後もいい脚を使います」と高く評価する。木村厩舎×ルメール騎手のタッグは昨年、イクイノックスで4馬身差の圧勝。連覇がかかる一戦に向け、「日曜日の午後まで最善を尽くしたい」と指揮官が意気込めば、鞍上も「大きなチャンスになると思います」と力を込める。 今年のJRA・GⅠを2勝しているのはチェルヴィニアだけ。ここでGⅠ3勝目を飾れば、年度代表馬の座にも大きく近づく。過去に3歳牝馬で優勝したのは2012年ジェンティルドンナ、18年アーモンドアイの2頭。国内外の名だたる年長馬を撃破し、名牝への階段を駆け上がる。(吉田桜至郎)