【便秘】をなんとかしたい! 効果的なフルーツや、市販薬の選び方など。解決策を消化器内科医に聞いた
多くの女性にとって身近な不調でありながら、「そのうち出るだろう」と軽視されてしまいがちな、便秘。しかし便は健康のバロメーターともいわれ、体内の状態を知らせてくれるもの。 【写真】どこでもできる! 1分間の便秘解消マッサージ いったい何が便秘症を引き起こし、どうすれば予防や改善ができるのか。その原因は食生活にとどまらず、睡眠からストレスまで、生活全般に潜んでいた。そんな便秘について、消化器内科医の岡庭紀子先生に話を聞いた。
【消化器内科医・岡庭ドクターに聞く】便秘の基礎知識/原因と解消法、放置厳禁の理由を知っておきたい
「最近便が出ていないから、便秘かも」となんとなく自己判断している、という方もいるのでは? 実は便秘にはきちんと定義があり、その原因はさまざま。まずは便秘の基本について、消化器内科の専門医・岡庭先生に教えてもらう。 ①「便秘症=週に3回未満の排便」が主な定義 ――便秘症の判断基準を教えてください。 週に3回未満しか排便がない状態を「便秘症」といい、その状態が半年以上続く場合は「慢性便秘症」と呼ばれます。コロコロとした硬い便が出るなら、毎日排便があっても便秘症と判断することもあります。 便秘症は、「器質性便秘症」と「機能性便秘症」の大きく2つに分かれ、前者は大腸がんなどの病が隠れていることで生じるもの。後者の「機能性便秘症」は生活習慣の乱れや水分不足などにに起因し、便秘症に悩む人の多くがこれに当てはまります。 ②便秘の原因は、睡眠不足、ストレスにもあった! ――どんな生活習慣や体質の方が「機能性便秘症」になりやすいのでしょうか? 便秘の主な原因として知られているのは、偏った食生活やダイエット、食物繊維不足などです。加えて便の80%は水分でできているため、水分不足も原因となります。 また睡眠不足やストレスなどは、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスを崩す要因となります。これにより腸内環境が悪化すると、便秘症につながります。 ――便秘の原因には、精神的なストレスも関わってくるのですね! 脳と腸は密に関わり合い、互いに影響し合う存在。そのため精神的なストレスは、腸にも悪影響を及ぼす場合もあるのです。「今日も便が出なかった……」とクヨクヨしたり、出先のトイレで緊張したりすることも、腸のぜん動運動(消化した食べ物を体外に排出するため、腸が収縮と弛緩をくり返す働き)を弱める原因になります。 ③生理と便秘の関係性と、放置厳禁の理由 ――生理前に便秘になりやすい人が多いのは、なぜですか? 「生理の時期に顔や下半身がむくむ」といいますが、それはホルモンバランスの乱れによって、本来腸にあるはずの水分が腸管外に染み出しているから、と私は考えています。つまり、腸の中は水分が不足して便が硬くなっているということ。これはマグネシウムの多い硬水を飲むことで、緩和される場合があります。逆に生理前に下痢になる方は、下痢症状を引き起こす、副交感神経が優位になるタイプと言えます。 ――便秘を放置するとどうなるのでしょうか? 残便感やお腹のハリが気にならなければ、放っておいても大丈夫ですか? よく患者さんに伝えているのは、「便は生ごみと同じ」だということ。生ごみを放ったらかしにするとガスが発生し、イヤな臭いが出ますよね。それと同じように、腸に残った老廃物も時間が経てばガスが溜まり、おならが臭くなる原因に。肌荒れにもつながってしまいます。 また便秘症状には、大腸がんなどの大きな病気が隠れていることもあります。市販薬を1~2種類試しても効果を感じなかったり、すっきり出ないなどの不安があれば、気軽に消化器内科に相談してください。