ビッグモーター不正請求問題 「不要な板金・塗装作業を強いられている」社長への内部告発ももみ消し 全国の工場で売り上げ“不正会計”も
保険金の水増し請求など、次々と問題が浮かび上がってきた中古車販売大手「ビッグモーター」。外部調査委員会が作成した報告書によると、これまでに何度も踏みとどまるきっかけはあったということです。 顧客から持ち込まれた車を故意に傷つけ、不必要な部品交換をして修理費用を水増し、損保会社に不正に保険金を請求したとされている「ビッグモーター」ですが、内部告発があったのは去年の1月。社長の甥にあたる塗装作業員が「不要な板金・塗装作業を強いられている」として、証拠となる写真や書類を社長にLINEで送っていたということです。しかし、外部調査委員会が作成した報告書によると、ビッグモーター社はそれ受けて調査を行わず、告発をもみ消したとされています。 もう一つ、全国の整備工場で売り上げを前倒し計上したり、架空計上をする「不正会計」が2018年ごろにありました。これは当時の本部長の指示でやっていたとされていますが、それを後に知った経営陣は本部長を降格させたのみで、詳しい調査は行わなかったということです。 さらに報告書には、いずれも兼重宏行社長の判断に基づいて行われ、その場しのぎの小手先の対処だったとありました。 国土交通省は「道路運送車両法に違反する疑いがあると認める場合には、問題のある事業所への立入検査も含め適切に対応する」としています。