阪神・佐藤輝 記録的猛打 自身初3戦連発&2戦連続3安打 イチローに並ぶ8戦連続マルチ 球団最長11戦連続得点
「ヤクルト5-4阪神」(6日、神宮球場) 試合に敗れても、この男の勢いは止まらない。阪神・佐藤輝明内野手(25)が自身初の3試合連続本塁打を放った。同点の三回2死三塁で、一時勝ち越しとなる9号2ラン。自身11試合連続得点で球団記録に並び、8試合連続マルチ安打はセ・リーグ歴代4位に並んだ。今季4度目のサヨナラ負けで首位・広島とは2・5ゲーム差に広がったものの、まだまだこれから。チームを引っ張る4番の存在が頼もしい。 【写真】ぼう然と立ち尽くす岩崎 梅野は顔を合わせず肩をポンっ 神宮の夜空に白球が吸い込まれた。佐藤輝が自身初となる、3試合連続の一時は勝ち越しの9号2ラン。「打った瞬間もいい感覚でしたし、しっかり自分のスイングができました」。豪快なフォロースルーを決めると、一歩も動かずに打球の行方を見守った。 同点の三回2死三塁。ヤフーレの内角カットボールを振り抜いた。「才木が頑張って投げてくれているので、援護することができて良かったです」。右翼の中段席まで運び、ベンチ前ではナインとかもめポーズ。「いいスイングができたので、それは良かったです」。8月は5戦で4発と暴れまくっている。 自らの一発で本塁を踏み、11試合連続得点。これは86年のバース、03年の金本知憲に並んで、2リーグ分立後の球団タイ記録となった。初回1死一、三塁では助っ人右腕のチェンジアップに崩されながらも、左前へ先制適時打。さらに、五回1死では中前打で、自身初の2試合連続猛打賞も記録した。 8試合連続でのマルチ安打は99年のイチローにも並ぶ快記録。NPB&球団最長の52年・後藤次男の10試合連続も視界に捉えた。バースが持つ球団の月間最多13本塁打にも、ペースは上回っており、佐藤輝が球史に名を刻もうとしている。 ただ、チームは痛恨のサヨナラ負け。敗戦の後にはベンチへと引き揚げる岩崎の元へ一番に駆け寄って、肩を叩いた。「それはもちろん、勝ちたかったです」。4番として、チームの顔として自然と行動に移した。 岡田監督も「おう、ええ感じで打ってる」と高評価。8月は21打数13安打で打率・619、4本塁打、9打点と止まらない。2軍降格直前の5月14日には打率・209だったが、打率・282まで上昇。完全に覚醒モードへと突入した。 チームは4カードぶりで、後半戦は初めてカード初戦を落とした。首位の広島とは2・5ゲーム差に拡大。4カード連続の勝ち越しへ、もう神宮で負けられない。「また切り替えて、試合に集中します」。佐藤輝がまた記録を更新すれば、勢いは加速していく。得意の地で、次こそは勝利に導く一打を放つ。 ◆佐藤輝が8試合連続マルチ 佐藤輝がセ・リーグ歴代4位タイとなる8試合連続マルチ安打で、パ・リーグではオリックス時代の99年・イチローも記録。なお、球団最長はNPB最長タイでもある52年・後藤次男の10試合連続。次いでセ・リーグでは03年・ベッツ(ヤクルト)、10年・栗原(広島)の9試合。