「折りたたみ式iPhone」用のディスプレイ特許をAppleが取得 フレキシブルで強度の強い構造に
「折りたたみ式iPhone」をAppleが開発していることを示唆する、新たな証拠が明らかになった。 【写真】リークされた“折りたたみiPhone”のデザイン ・ディスプレイパネルの保護カバー層 米国特許商標庁は「フレキシブルディスプレイ・アプリケーション向けのハイブリッド・カバーレイ/ウィンドウ構造」というタイトルのAppleの特許を公開した。 これは、折りたたみ式デバイスのディスプレイを折りたたんだ際のひび割れから守るように設計された保護層だ。 このAppleの新たな特許は今日、市場に出ているSamsung等の折りたたみ式デバイスで見つかったようなディスプレイのひび割れの問題を修正することに焦点を当てていると『Patently Apple』は伝えている(参考:https://www.patentlyapple.com/patently-apple/2020/10/apple-wins-patent-for-a-protective-layer-designed-to-protect-future-folding-device-displays-from-cracking-at-the-fold.html)。 表面がただ硬ければ割れやすいし、かといって柔らかくすれば強度が弱くなる。その両方を一気に改善し、ディスプレイがフレキシブルに動くにも関わらず、強度も強いという。これは、とりわけスマートフォンの保護カバー層構造に関連している。 特許書類にある図は、湾曲し、フレキシブルで、適合性があり、折りたたみ可能なディスプレイ・モジュール、とりわけディスプレイ・パネルに実装できる保護カバー層の構造を詳細に説明している。Appleは、ガラスが割れる際、微小亀裂がまずできるとし、ハードコート層でそれを埋めることで、割れにくくするという。 さらに、ハードコート層は、割れる前のひずみに耐えることができる一方で、電子デバイスの外部保護コーティングとして機能するのに十分に高い硬度と引張強度を有するように設計されている。したがって、ハードコート層は、穴や引っかき傷に対しても十分な耐久性があるという。 ・年々、強化されるiPhoneのディスプレイ素材 Appleは、2019年にiPhone 11とiPhone 11 Proのガラスを強化し、iPhone 12シリーズでは、ディスプレイにCeramic Shieldを採用し、耐落下性能が4倍向上したと『MacRumors』は指摘する(参考:https://www.macrumors.com/2020/10/27/apple-researching-stronger-foldable-displays/)。 近年のディスプレイ素材の品質向上と、今回の特許は、Appleが折り畳み式デバイス用のより強力で割れにくいディスプレイを研究していることを示唆している。 ・折りたたみiPhoneはいつ登場する? このところ、折りたたみ式デバイスに関するAppleの特許取得が目立っており、9月には、Appleが多数の折りたたみ式ディスプレイ・サンプルをSamsungに大量に発注したとされている。ではAppleは、いつ折りたたみ式iPhoneをリリースするのだろうか。 Bank of America Merrill Lynchのアナリストは、2018年の時点で、2020年に登場すると予測したが、今年のリリースはないと『MacRumors』は伝えている(参考:https://www.macrumors.com/guide/foldable-iphone/)。 海外メディアや専門家の間でも、近々、リリースされるという確固たる証拠は伝えられておらず、その気配もない。今年は、コロナ禍のなかで、iPhone 12シリーズの販売をするのが精一杯というのが、おそらく本当のところだろう。
Nagata Tombo